『第六話です。一日が長いですね』
純粋な一日を何話にも分けて書いてる人少ない説w
告白事件から約3時間後
ようやく昼休みが始まった
授業中気が気でなかったが、宮沢さんは特にこれといって行動はしてこなかった
いつも昼ごはんは春菊と撫子と机を合わせて食べるのだが
パッと二人を見た時はいつのまにか逃げられていた
・・・・気を使われたな・・・少なくとも撫子は違う思考してそうだけど
「宮沢さんって、ご飯とか食べるの?」
「私は主に電気で充電します。コンセントってありますか?」
「あぁ、それならここに」
宮沢さんはお尻付近からコンセントを尻尾みたいにニョキっと出してコンセントに刺す
この様子だと、お腹が減るという感覚はなさそう
「充電ってどのくらいかかるの?頻度は?」
「かなり省エネされた機械なので一日に一回するぐらいで大丈夫です。ご飯の時間が一番暇なので基本的にはご飯の時間にしています。せいぜい五分程度かかりますかね」
割と頻度少ない割に時間も少ないんだな
僕は少なめの弁当を軽く食べ終わると、すでに充電が終わってボケーとしている宮沢さんを見る
・・・・これは僕から行動した方がいいのだろうか
いや、僕は好きじゃないんだからあちらから行動するべきでは?
でもこの様子だと『付き合う』の定義分かってなさそう
「・・・・あのさ・・・・僕達付き合ったんだよね?一応」
「それがどうかされました?」
「いや・・・・こういうのってなんかするべきじゃない?」
「確かにそうですが・・・よく分からなくて・・・そうだ、活田早希さんのご友人方に聞いてまわります」
「え、ちょっと待って!僕も付いていくから!」
宮沢さんに付いていくと、最初に生徒会室に入っていった
ここは・・・やはり、相田君が仕事をしていた
しっかり者だけど、ドッチボールの時みたいに結構抜けてるから、毎回何考えてるのか分かんないんだよね
「ん?活田さんに宮沢君じゃないか、何か用?」
「あれ、相田君だけ?」
「書記の湯浅さんと関係のない道明寺さんならここにいるけど」
「二人ともここにいたんだ」
「うん・・・中庭はいっぱいいたし・・・」
「屋上は例の如く閉まってるからアイアイに開けてもらったの」
「まぁ、俺も仕事あったからね、仕方なく」
この学校は屋上は基本的に閉まっている
漫画みたいに普通に空いてたりしたら危ないという先生の話らしい
そのせいで中庭は大人気で駆け足で行かないと基本的に場所が取れない
だから基本的に教室なのだが、僕達は生徒会長と仲が良いため
こうしてたまに生徒会室を使わせてもらっている
ここのソファーは恐ろしく気持ちいいのだ。たまに寝てしまうほど
「丁度良かったです相田瑠樹さん、男として、付き合ったら何をするという定義を教えてもらおうと思いまして」
「え、なにそれ、俺も恋人いたことないから知らないよ?」
「宮沢さんよりは詳しいでしょ?」
「あー、それでよく付き合おって言ったな・・・わかった」
相田君はそういうと、春菊のロッカーを勝手に開けて少女漫画を取り出す
「ちょ、瑠樹君!?何で私がそれ隠してるの知ってるの!?」
「ん?生徒会室でたまにカバーで隠して読んでるじゃん。気づかないと思った?」
「は、恥ずかしい・・・・」
春菊がオタクだというのは前に言ったが、その中でも恋愛漫画は大好物だ
恋愛漫画を読んではウヘヘと笑ってしまう気持ち悪い部分もあるが
それを隠してるし、現実にまでそれを持ってこないので、僕も気にすることはなかったが
多分、ここで読んでる時に表情で分かったのだろう
「これ読めば何となくわかるよ、少女漫画は女の子の理想の男とかよく出てくるしね」
「成程、分かりました」
それ大丈夫か?僕は別に理想の男とか居ないけど
なんか、嫌な予感しか起きない気がする・・・