プロローグ・永遠のほとりにて
はじめましての方も久し振りの方もこんにちは、銀猫です。 今回の話は「青春系学園モノ微妙ファンタジー・ポロリもあるよ!」がコンセプトです。最後は嘘です。「夏休み無し」を云い渡されたこどもたちの反抗というのが大筋でしょうか。作者の原型というか、書きたい物語のいちばん根っこが宗田氏のぼくらシリーズなんです。あんなふうな痛快で爽やかで楽しくて、読み手さえ仲間になって暴れているように思える話を紡げるよう頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、プロローグをどうぞ。
――――御伽話の勇者様。
どうか、此処に来て下さい。
空を覆っていた雲が晴れて。
部屋の中に、月の光が満ちました。
月の光に照らされて。
白い壁は、空と海の色に染まりました。
“永遠”と名付けられた私は、“永遠”とは何か知りません。
“永遠”を知らない私は、その青があまりにも綺麗なので、“永遠”とはこんな色をしているのかな、と思いました。
けれど――――
その“永遠”は、とても忌まわしいものでした。
その青色は、決して在ってはならないものでした
それは、死を司る青の悪魔の色でした。
青い悪魔の王様は、きっと人間を滅ぼすでしょう。
在ってはならない永遠は、世界を殲滅し尽くすでしょう。
――――だから、どうか、お願いです。
いつか聞いた物語のように。
どうか、此処に来て下さい。
御伽話の勇者様。
早く、此処に来て下さい。
――――そして私を、殺して下さい。