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「春 別」
はるのわかれに際し、離れゆくひとを想い、地下鉄に揺られつつまっくら闇のトンネルをただただ眺めながらつくる詩。
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終わり たそがれ あまねく 花片
橋の上 月の下 墜ちるは涕か春雪か
『勧 君 金 屈 卮』
如何にぞ知れる 滴の故を
『満 酌 不 須 辞』
夜半の寝覚めに耳を澄ませば
『花 発 多 風 雨』
こうも聴こえる蝶の羽音
『人 生 足 別 離』
みなも 桜雲 あまたに映る
白夢はかすみ 現はみぞれ
春と別れてはな散らす
君こそひとり ゆくさきを知る
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『于武陵「勧酒」』