アナタのためなら羽根なんてイラナイ
ピィ……ピィ
私の前世は人間
鳥になりたかった
そう思って死んだ
夢が叶った
何故か前世の記憶が残っている
今はペットショップにいる
飼い主を待っている可愛い鳥
『ピィ……ピィ』
今はペットショップの会計にいる
願いが叶った
眼鏡が似合う飼い主が出来た
『ピィ……ピィ』
今は要のそば………眼鏡の飼い主
要…………
「ねぇピィ」
要は言った
「空って綺麗だと思わない??」
私はうんって返事をする
「ピィピィ」
「俺は鳥になりたいんだ」
「ピィピィ………」
なれるんだよって私は言った
「空を飛ぶの気持ちいいだろ??」
うん すごく
でもあなたといる方がずっと心地よい
「神様…………俺は鳥になりたいんだ」
私はなって欲しくない
ずっとあなたといたいから
あれ?
鳥なのに
人間が好きなんだ
「俺……ピィが大好き」
私もだよと私は言う
『ピィピィ』
でも通じない
私が鳥だから
涙が流れる
要が好き
大好き
神様から告げられた
あと3日の命
それでもいい
神様
私を人間に戻して
大好きな人のためなら大事なはねも
イラナイ
帰ろうかって要が言った
うん
私が目覚めたのは朝だった
小鳥が言ってる
あの子人間が好きなのよ
ってばかにしてる
小鳥のさえずりは
あまり綺麗なものじゃなかったけど
私は幸せ……
要と散歩に行く
そして沢山お話しした
「ねぇピィ」
なあに?
「もしピィが人間だったら」
「俺はピィを好きだったのかな」
胸が高鳴る
鳥の小さな心臓が
とくっとくって
大好き
要……大好き
帰ろうかって要がいった
あと二日帰りたくない
要……
『ピィピィ』
「さあ帰ろうか」
やはり通じない
人間になりたい
朝起きた
私は人間になってた
羽だけが残って
要がこっちにむいて驚いてる
「……ピィなのか?」
『そうだよ』
私は要のほうへ近づいていく
『要』
『大好き!』
要はかおを真っ赤にした
『ねぇ聞いて』
『私は今日死ぬんだ』
『ごめんね。もう行かなくちゃ』
体が天に帰っていく
『大好き』
「俺も」
幸せをありがとう、神……
どうだったでしょうか
気に入っていただけるなら光栄にぞんじます(*´∇`*)