始まりの部屋
小説家オーディンの冒険が始まる。
その先には一体何があるのか?
〈序章〉
「・・・本日は、おめでとうございます。今回の小説の執筆についてですが、なぜこのような作品に挑戦されたんですか?」
「そーですね・・・私の昔からの夢でした。しかし、その夢が叶って、賞まで頂けるとは・・・。」
私は夢を見ていたのだろうか?いや、確かな現実だ。しかし、私は今心地よい夢を見ているような感覚だ。
あぁ、そうか。私は死んだのだったな。何とも不甲斐ない儚き人生だった。
・・・
堂島
「以前の記者会見の映像が残っていたか。だが、何故小説家オーディンは自宅で死んでいたのか?しかも、万年筆で心臓を一突き。家に同居していた家政婦もアリバイは嘘とは思えん。自殺ではないだろう。」
桐島
「先輩。今回の事件、どうなんでしょうか?」
堂島
「時間をくれ。すぐに結論はでないだろう。」
・・・
私は、ぼんやりしていた。
「いよいよ、私の書いた小説が世界に広まるぞ。会見も終わったしな。さて、次はどーするか?」
突然、後ろから足音が聞こえた。
「お主は、自分の創った小説の世界の主人公になる気はないか?」
私はその問いに答えた。
「何者だ!・・・私が、主人公か。悪くはないが?」
女は笑いながら答えた。
「私か?私はポルカ。この家のそこの姿見から、こちらの現実世界に来た。」
更に私は返した。
「ほぅ?私の書いた小説の中の登場人物と名前が一緒という訳か?面白い。ならば、小説の主人公になれるよう案内して頂こうか?」
私は、ポルカについて行き、共に姿見の前に立った。すると突如、姿見は白い光を浴びて、二人を包んだ。
「オーディン様、間もなくお食事の時間でございます。・・・返事がないわ?書斎にいないのかしら?」
・・・
私は、空間の狭間のような場所を飛び、小説の世界らしき場所に着いた。
オーディン
「ここが、小説の中の世界か?」
ポルカ
「そうよ。あなたは、主人公となって小説の最期まで冒険をするのよ。仲間をつくっても良し、戦うも良し。あなたの思う方法で攻略し進むのよ!じゃ、後はご自由にどうぞ。私は上から見てるわ。」
オーディン
「あっ、おい。ったく、話すだけ話して消えてしまったか。仕方ないな、とりあえず歩きながら、作戦を練るか。」
神殺し~GOD KILL~ 序章 完
登場人物
オーディン・・・小説家
魅貴・・・家政婦
ポルカ・・・時の案内人
堂島・・・ベテラン警察官
桐島・・・新米警察官
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