No.027〜No,030
No,027
風を斬りながら駆ける
流れる景色も瞳に入れず。
ただ無心にペダルをこぐ
山を登り
町を越え
川に沿って下り
海に着く
見知らぬ海
縁のない場所で
瞳に映す沈む夕日
昼と夜の混じりあった空気の中
胸にある
想いを全て
風に乗せて叫ぶ
密やかに
緩やかに
高らかに
叫ぶ
天に
海に
太陽に
そしてまた
風を斬って駆けていく
「 秘想海知 」 (秘めた想いを海に知らしめる)
NO,028
頭の中に浮かぶ歌を紡ぐ
風の歌
月の歌
春の歌
共に在り
輝き包む歌
心を巡る歌を紡ぐ
哀しい歌
惑いの歌
淋しい歌
切なく響く
静かに儚い歌
想いに舞う歌を紡ぐ
優しい歌
嬉しい歌
誇らしい歌
高らかに舞う
淡く皓い歌
私が歌になる
歌が私になる
どちらなのか解らない
だけど
私と歌は一つになっていく
「 歌重自混 」 (歌が重なり自らと混ざる)
No,029
夢
それは
人を導く道標
絶望も希望も
惑いや怒りや
喜びや愛しさを
与えるもの
前に進む為に必要な力
夢を見失い
彷徨う旅人
焦燥や諦念
混乱や怯懦
瞳曇らせる暗闇
さらに見失って行く
立ち止まってみよう
振り返ってみよう
見つかるかもしれない道標
何かに隠れてるのか
色あせてるのか
壊れかけてるのか
ただ
見逃しているだけかもしれない
もし見つからなくても
前を向いて歩こう
目をそらさなければ
見つかる時はきっと来る
「 生為夢捜 」 (生きるのは夢を捜す為)
No,030
日が巡る
どれだけつらくとも
どれだけ哀しくとも
どれだけ淋しくとも
どれだけ停滞を望んだとしても
人の弱さ
人の愚かさ
人の嘆き
日は見続けて
日は巡る
置き去りにされていく
負の気持ち達
日が巡るたび
削られ
砕かれ
磨かれ
洗われ
輝く心のかけらになる
日は巡る
人の気持ち見つめたまま
「 日洗負心 」 (日に洗われる負の心)