No.016〜No,020
今のところ過去に作った物を上梓しているので、季節感が違う作品が出てくる事があります。
No,016
穏やかに
風に吹かれる花
ゆっくりと
時に漂う花
密やかに
月を視る花
ただそこにある花
人の流れを
人の愚かさを
人の弱さを
ただ見ている花
何を想う
どう感じている
心あれば
「 人惑覧華 」 (人の惑いを覧る華)
No,017
幻想に心馳す
自分の心も
相手の心も
すべての心も
すべては幻想
人は全てを解る事は
出来ない
特に心は
だけど
数分の一の心を
知ることは出来る
そして残りの心に想い
幻想を視て行く
人と人との関係は
互いの幻想を重ねていくこと
そして
新たな幻想を生んでいく
つながり続ける想い
巡り続ける幻
全て心に還る
「 幻想相視 」 (幻に想いて相を視る)
No,018
心惑天覧 (惑う心のまま天を覧る)
星煌翔想 (星の煌きに想い翔ぶ)
冴月光浴 (月の冴えた光を浴びて)
風吹刻過 (風に吹かれて刻過ごす)
小自哀涙 (自分の小ささに哀しくて涙する)
人理流失 (人の理に流されて失う)
心包想輝 (心を包む輝く想い)
自理想悟 (自らの理を想いて悟る)
人小天大 (人の小ささ天の大きさを)
風包優知 (風に包まれ優しさを知る)
「天吾理直」 (天に吾の理を直される)
No,019
春がやってくる
でも
まだ遠い
だけど
少しずつ少しずつ
足音が聞こえ始めてる
春に想い馳す
緑薫る森の調べ
花匂う風の歌
命輝く光の雨
心躍る
心弾む
心舞う
心騒ぐ
春が生み出す
心の協奏曲
春がやってくる
まだ遠き刻だけど
来るのが待ち遠しい
足音に心ざわめかせ
想い翔ばす
「 春想騒心 」 (春を想い騒ぐ心)
NO,020
灰色のカーテンに
覆われているのを見て
涙を流す
蒼のスクリーンの下で
涙を流したくなかったから
星の涙に包まれて
密やかに涙する
道を見失ったことに
優しさを拒んだことに
何も出来ない自分に
灰色のカーテンが
開いていく
命の光が差し込んでくる
涙を流すのを止めないと
蒼のスクリーンの下で
涙を流して居たくないから
差し込む光を浴びて
前に進んで行こう
蒼のスクリーンを背に
「 雲涙晴進 」 (涙と雲を晴らして進む)