No.066〜No,069
No,066
私の心は
包まれている
色々なものに
沢山のものに
大きいもの
小さいもの
硬いもの
尖ったもの
まるで砂礫の様に
雑多に混じり合っている
包んでいるものを
風が吹き飛ばし
雨が流す
砂時計の砂が落ちるように
少しづつ
少しづつ
逆戻りするときもあるけど
いつの日にか
包むものが
すべて
飛ばされ
流される
事を願う
そして
何にも包まれることなく
表れる心が
削られて
磨かれて
洗われて
宝石のように
輝いている事を
望んでいる
「 風水磨洗 」 (風が水が磨き洗う)
No,067
夏の街中で
過去への扉を視てしまった
暑き風が
灼熱の日差しが
扉の鍵となりて開く
心は旅立つ
あの過ぎし季節へ
青春を
駆け抜けてた
戸惑いも
恐れも
未来も
関係なく
ただひたすらに
ただがむしゃらに
そんな時を
あの夏が
終わらせた
あの出会いと別れが
心が戻ってくる
苦さと
哀しみと
希望をつれて
扉が閉じていく
夏の陽炎が消えて行く
「 過時扉鍵 」 (過ぎし時の扉の鍵)
No,068
語ろう
どれだけ人に対して
悲しんでも
憐れんでも
憎んでも
絶望しても
人と云うものに惹かれる訳を
人の美しさを
花を見て
和む事の出来る素晴らしさ
川のせせらぎを聴き
美しき歌を想う麗しさ
星を見て
悠久の物語を読む愛おしさ
幼子を見て
未来を大切に想う純真さ
天よ
人が自ら持つ
この美しさに
光りあれ
「 人美天語 」 (人の美しさを天に語ろう)
No,069
他人から発せられた想いも
自分から生じた想いも
それが
陽の想いでも
陰の想いでも
ただ
あるがままに
受け止められている
・・・・・・今は・・・・・・
世界が灰色に見えてた
日々があった
自分の事が好きに慣れずに
涙に明け暮れた日もあった
他人の想いが解らず
海に叫び続けた夕暮れもあった
自分の生きる意味を考えて
月だけを見続けた夜もあった
今はそんな日々も
前に進むための糧になっている
「 自受止想 」 (自ら想いを受け止める)