No.046〜No,050
No,046
想いよ届けと願う
直接
言の葉にはせず
そっと
言の葉とは違うものに乗せる
月の光に
川の流れに
流れる雲に
舞う花びらに
響く歌に
水面に煌く光に
優しく凪ぐ風に
碧り薫る息吹に
自然の光に
自然を織り成す綺麗なものに
そっと
想いを乗せる
想いに気付いてくれたらいい
想いに気付いてくれなくても
ただ自然の光感じてくれたらいい
「 想乗世煌 」 (想い乗せる、世の煌きに)
No,047
日々の暮らしの中
薫りに
匂いに
包まれて
心
導かれ
踊り
旅する
陽の薫りに日の匂い
心温めるぬくもり
海の匂いに潮の薫り
心騒ぐ情景
雨の匂い
心静かに洗う
碧の薫り
心癒す命の息吹
様々な薫りや匂いが
人の心を揺り動かす
街の匂い
あの人の薫り
淡く凛とした花の匂い
爽やかな風の匂い
人の心に訴える
ミエナイチカラ
「 人包無色 」 (人を包む色無きもの)
No,048
簡単に
人は後ろに置いてゆく
諦め
挫折
絶望
嫌悪
負の思い
暗き心によりて
簡単にではないけれど
簡単に
夢
好きな物
愛したこと
共に在るべき力
光・・・・・・・
耐え
忍び
粘り
抗い
後に置かずに
持ち続けたい
難しいことだけど
「 易置抗輝 」 (易しく置くことに抗い輝きたい)
No,049
時を経たもの達に
心飛ばされる
過ぎ去りし時に
古く大きな木の幹に
手を当て
額を当てて
瞳を閉じ
旅にでる
人の営み見続けた木の
優しさを感じながら
時を経た民具に
触れて
手に持ち
思い馳せる
作り手と使い手の
誇りを感じながら
人の瞳を奪い続けた美術品を
見つめて
空気に包まれて
心静める
美しき
安らぎを感じながら
時を越えていくもの達
人よりも長き刻を
何も語らず
だけど
人の世を見つめていく
「 継刻見語 」 (刻を継ぎ見ていても語らぬもの)
No,050
風になりたい
彼の人を
そっと
優しく包む
風に
貴方に
軽やかに
密やかに
季節を告げる
風に
君に
遥かなる
見知らぬ大地の
匂いを運ぶ
風に
我が心
風に乗せて
届けと願う
見知らぬ人
親しい人
あまねく全てに
我が想い
風が運ぶ
密やかに
軽やかに
そっと気付いて欲しい
彼の人が
貴方が
君が
そして
僕が
「 風送唄人 」 (風が送る人の唄を)