ノットイコール
パソコンが壊れたりしていたため、放置状態ですいませんでした。これから一気に更新していきます。
■ノットイコール
「……大友」
逸見は次に続く言葉を一生懸命探しているようだった。ことの発端は、昨日逸見のアカウントから送られたメールだった。それには、話したいことがあるから、岐阜駅前のロータリーに来てほしい、とだけ書かれていた。
「どうか、したのか?」
「一言、謝らせてほしい。俺のこれまでしてきたことを」
「何を?」
「タカたちと一緒に、お前にしてきたことをだ」
「どうってことはないよ、もし俺が同じ立場でも多分お前と同じことをしたよ」
「すまなかった。一言、それだけ謝りたくて」
「どうか、したのか?」
「実は、俺、「セブンス」から抜けることにしたんだ。もちろん、タカたちのグループからも抜ける。この間、お前のアセットの件で口答えしてからずいぶんいずらくてね。それに、お前から取った260万ギルを使ってタカが女子、それも、坂口や山田達のグループにばかり使っていいカッコしてるのも違うと思って」
そういえば、この間の花火の時、逸見はいなかった。
「だけど、そんなことしたら」
「多分、ずっと一人だろうし、いじめられるだろうけれど、これから先、自分がやりたくないことをずっとやらされるよりはマシだよ。ずっと思っていたことを言えたし。後悔はしていない。それにせめてもの罪滅ぼしだとおもうしさ。260万ギル、すぐに返せるわけじゃないけれど、いつかきっと返す。だからちょっとの間、待っていてくれ」
「そんなこと、気にしなくていいよ。だけど、良かったらまた「フォロー」させてくれないかな。それでチャラってことでどうかな?」
「なぁ、大友」
「なんだよ」
「お前、ここのところ、一体何をやってるんだ」
「え?」
「なんか、夏休み前ぐらいから、顔つきがだいぶ変わってる。あの、転校生、山岸さんのおかげなのか」
「わからないけど、たぶんね」
逸見から再びフォロー申請が送られてくる。俺は即座にそれに返信した。
「さぁ、今日もいきますか」
グレアムは上下屈伸運動をさせながら、その時をうかがっている。そうやって、焦らしながら周りの観客のテンションを上げているのだ。
観客たちのテンションが最高潮に達した所で、グレアムは接近してくる。拳の応酬。ここまでは予想通り。だが、予想不可能なのはここからだ。俺は、ひるまず前にでた。2、3発パンチを喰らうが、気にしない。ひたすら前へ。さらに打撃を喰らうが、さらに前に向かう。距離がゼロになったと同時に、俺は思いっきりひざ蹴りを繰り出した。クリーンヒット。さすがのグレアムもこれは多少ダメージだったはずだ。
「おもしれぇじゃねぇか」
グレアムはさらに距離をつめ、俺に打撃を放つ。そう、この手数の多さによって、俺たちは打撃を防御できなくなるのだ。だが、さらに前に向かう。今度は、みぞおちにパンチを放つ。グレアムは、手数で圧倒する戦術を捨て、一発でこちらを沈める戦法に出た。間合いを測る。どちらも動けない。
先に動いたのは、グレアムのほうだった。俺に渾身の右ストレート。俺はすんでのところでストレートをかわし、回り込んで思いっきりミドルキックをたたきこむ。グレアムは、数メートル吹っ飛んで、そのまま動かなかった。
「お前、やっぱり面白いよ。先週とは全然動きが違っていた」
「いや、でも最後のストレートが決まっていたら多分負けてたよ」
「でも、勝ったからいいじゃねぇか。ケンカなんてもんは所詮最後に地面に立ってたやつの勝ちなんだ」
「つまり、結果論だってことね」
「よくわかんねぇけど、そういうことだ。ほら」
そういって、グレアムは20万ギル俺にチャージした。
「あんたが勝った時の報酬を考えてなかったからな。あと、俺たち全員、お前のフォロワーだ。なんかあったら遠慮なく呼べ。なんなら、お前のボコらないといけない奴もたおしてやろうか」
「それじゃあ、こいつの人生はいつまでたっても始まらないわね」
俺のフォロワーは一気に24人増えた。そして、一気にガラが悪くなった。
今回は少し短めですが、次話から分量戻します。




