表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自分さがし  作者: 恵梨奈孝彦


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/6

死刑囚

 何だこれは! 小児性愛者どころか、快楽殺人者じゃないか。何よりも、幼女を「お姉さま」と呼ぶのがものすごく気持ち悪い。少なくとも、わたしはこんなことをしたいと思ったことはおろか、こんなことを思い描いたことさえもない。これがわたしの潜在意識かどうかなんてどうでもいい。だいたい、性的少数者なんかの面倒を、どうしてわたしが見なければならないのか。わたしは「Qシステム」の研究を取りやめ、二度とさわらないことにした。


「どうしてもやらなければならないんですか?」

「当たり前だ」

 おれの目の前にいるのは、白衣を着た中年女性。髪は栗色だが、肌の色を見ると白人かもしれない。もっともおれは、十三歳以上の女というものに全く興味がないため、中年というのも白人というのも間違いかもしれない。


「おまえは、小さな女の子ばかり狙って何人も殺してきた、クズと呼んだらクズに謝らなければならないような奴だ。おまえは日本の裁判所で死刑判決を受けた。それがなぜ生きていられるか。公安に拾われたからだ。公安のモルモットになることと引き換えに、一か月後に釈放されることになったんだ。ということは、一か月の間に死んだとしても文句は言えないっていうことだ。公安もおまえを可哀そうに思って拾ったわけじゃない。普通の人間にはやらせられないような危険な仕事をさせるためだ。それがいやなら、刑務所にもどって毎日執行の日におびえて暮らすんだな。おまえは自由になったわけではない。おまえは死刑囚のままなんだ! わかったらさっさとQシステムにかかれ!」

 

顔のイメージとは裏腹な流ちょうな日本語で怒鳴られた。

もう一度その機械を見ると、外壁とでも言うのか、座席の周りを濃い青のカバーが覆っている。窓から中を覗いてみると、液晶らしいモニターがひとつ。そのまわりを大量のスイッチが囲んでいる。禍々しい、というよりわけのわからない機械としか言いようがない。

 

 いきなり、やたらごつい感じの男が二人やってきて、おれの両腕をつかんで連行し、機械の中の座席に無理やり座らされた。両手首をひじ掛けに、胴体を背もたれに拘束された。


 耳に巨大なヘッドホンがかぶせられる。ヘッドホンから女の声が聞こえた。


「そのへんのスイッチにさわるんじゃないぞ」

 

 手を拘束されているからやりようがないんだが。

 「もっとも、システムは外から遠隔操作されている。そこにあるスイッチはすべて死んでいる。何をいじろうが、システムに干渉することはできない」


  だったら、「さわるな」とか言わなくてもいいのに。


「おまえがさわったものなんか、わたしは二度とさわりたくない!」


 心の中だけで言ったのに、なぜか返答が来た。


「行くぞ…。10、9、8、7、6、5、4、3、フタ、ヒト、イマ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ