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1ヶ月後消える僕の全て  作者: 桜井 雪
第二章 友達
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第六話 (4日目) 「滑稽な朝」

 夏の朝は、メラメラと炎える太陽の光が姿見に反射し、部屋全体を照らし出す。


 早朝の静けさと温かみを感じながら、僕は自分のベッドからそっと降りて母に見つからない様にして下の階に降りる。

色々と身支度を整え、最後に2回目で真新しい制服に優しく、静かに腕を通し、ボタンを閉じつつ、昨日のことを思い出す。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 昨日の夕方のことだ。

 

 僕は、茜色に光り輝く空が眩しくて、目を瞑ったままカーテンを閉める。

そしてマルクスと共に、この前同様、作戦会議の時間である。


「明日、行くのか。」

「、、、、、、学校。」


 どうだろう。

僕が約束を破っても、(、、、、、、もし、守った、と、しても)明日さんが、僕がどうなる。

否、むしろ僕が行った方が余計に迷惑かけてしまう。


 ..................それで全てお終いだ。

「どうこうなるって、そう言う話じゃ無いだろ。

あと、迷惑かどうかなんて、本人にしかわからないだろ。」

「少なくとも、俺様はそう思うぞ。」


 分かってる。

分かっている筈なんだ、でも..................


 その流れに逆らって動きたくなる。

然し最終は、この今日に漂う不可抗力に押し流され、やがては消えてゆく。


 僕は徐々に雲に隠れていく太陽による影でマルクスに勘付かれない様に溜息を着いた。

ならばもう、僕が選ぶ選択肢は一つだ。


 僕は当初掲げた言葉(かんがえ)を思い出す。

初心に帰るとはこういうことだと思うと同時に、実は“初”心は嘘だと思う。

それならば..................

中心に帰るとでも言って(かんがえて)おこうか。

............なんてな。

はは。

馬鹿げている。


 よし。

僕は未だ太陽光を放出しきれず、生ぬるい床に足をつき、立ち上がる。


 未だ先も霧に包まれ、決定されない中、そのぼんやりと眼に慎ましく映る未来に向かう切符を手に入れようと走った。

僕は久々にすっと眠りについた。


 『んあー。あーー。

mike test,mike test.おーい。

聞こえてるかー?』

煩い。

『It’s okay?』

五月蝿い。

『聞こえてるんだなー。』

うるさい。

何度考えを読めば気が済むんだ。

普通に喋れよ。

『普通ってなぁにー?

はっきり言ってくれないと、俺様わからないぞー?』


 あー。

もう。

これ以上苛立たせるな?


 いいや、これはそれ以前の問題だ。


 何で夢にまでお前が出てくるんだ。

寝ている時くらいーー


 かっとなって腕を振り翳すと、目の前にあったのは僕の部屋だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


............とまあ、こう赫々然々あり、今に至る訳だ。


 マルクスに昨日の夢のことを聞こうと思ったけれども、口笛を吹いてそっぽを向いて居たから、犯人は此奴だと、確信したので聞く労力は今日のために残しておこうと思う。


 自転車で昨日の集合場所に向かうと、もうそこには彼女が居た。

学校に近づくにつれ、僕をじわじわと蝕む様に冷や汗が流れてしまうのは太陽のせいかもしれない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あいるくんは、学校に着く前の様々なルートで来る人が合流する大通りの前辺りから段々と挙動不審になっていっていた。


 何も知らない人には、別にそこまで可笑しくは見えないのだろうが、先程より微かに気にして周りを見る回数が増えている。


 これは誤差ではない。

 

 隠しても隠しきれない真実であり、現実だ。

学校に来るのが久しいって言っていたから、まさかとは思っていたけど、不登校.......だって聞いて、同情してしまった。


 きっと、周りの目に自分がどの様に映っているのか、分からなくて、怖いんだろうな。


 初対面で、出会ったばかりの私に今までのこと、話してくれるくらい優しさがあって、単純で、本当に“ちょろい奴”だから、周りの人間には簡単な奴であり、弄りやすい奴であったのかも。


 そう思うと、胸が苦しい。

気持ちを入れ替えようと、場所を変えたところで、根本の問題解消には更々繋がらない。


 そう、私は私のまんまで、本体がすり替わらない限り、この地獄からは抜け出せない。

もう一度あの時間に後戻りするなんてこと、あってはならないし、そんなシチュエーションを作ってもいけない。

あんな目に遭わされるのはもう真っ平“すみません”ですね。


 そう、私はこの現実を幻実だと思いたい。

でもそれは叶わぬ願い。

だからーー


 「行こう。」


 私はそう言って彼の背中を押してあの寂れた門を潜った。


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