第十六話 (6日目) 「謎のファイル-2」
どうもこんにちは桜井です。
先週水曜日に遅れてごめんなさい。
今日15:00以降はこの話が最新状態になっています。
(それ以前であると、途中経過の場合があるので............)
今週もちゃんと水曜日に出せる気がしませんが、最近スマホではなく、タブレットで打っているので、作業効率が上がっていまして............これで、少しは手が思考速度に近づく筈............
更新日は19話(人物紹介を抜く)も出した中で、2回も遅れてしまっているので。
どうにかします。
ツーツーツーと、モールス信号のような音が僕の部屋中に鳴り響く。
いや、実際にはなっていない。
多分これはマルクスが作り出した夢の世界の中の出来事なのだ、と察知する。
「おーい。」
マルクスの声が聞こえる。
やっぱりか。
僕の予想は見事に当たっていたらしい。
「聞こえてるんだな?言いたいことが............」
そうだった。
無言で彼の(彼女なのか………………?いや、流石にちがうだろうけど………………)スルーようと思っていたのだが、無理だったようだ。
夜寝ている間、つまり夢の中でまでマルクスが出てくるのでは埒が開かない。
夜の数時間くらいゆっくりと過ごさせてくれたっていいのにと思うと内心イライラとする。
...............のだが、今日は都合のいいことに、音割れしている。
僕の頭に入り込むことがうまくいっていないのであろう。
さらに、この夢はレム睡眠の間でだけ通信できるようだということがわかった。
というのも、それ以上マルクスの声が聞こえてこなかったのだ。
このことが嬉しくて、次の日の朝はスッキリと目覚められた。
............気がするのだが。
「ファイル?!」
そう、僕は早朝に起きて早々、そう叫んでしまった。
何かを忘れているとは思っていた。
だがそれがあの謎めいたファイルであるとは思わなかった。
「だーから、夢の中で注意してやったのに。もう寝ていいのか?やることあっただろってな。」
マルクスは、人の言葉さえも聞かない僕がたいそう馬鹿だとでもいうように散々に嘲笑った。
まあ、それはいいとして、ファイルだ。
強張りながら開いた1ページ目が見事に白紙であったから、ちょっと悔しかったので、早くそれを挽回せねば。
僕は自分の机にある引き出しの奥底にしまった重厚なファイルと顔を合わせる。
よく見ると、いや、よくは見なかったとしても、頗る昔のノートであることは間違いがないのだが、何かが不自然だった。
だが然し、その原因は僕にはよくわからなかった。
よし。
緊張を解きほぐすように何度か深呼吸をする。
そして1ページ目。
............ふぅ。
一息ついて、2ページ目。
............名簿だ。
いつのものなのであろうか。
探してみるが、それらしい記載は黒塗りされている。
かろうじてわかったのがこれの発行日が昭和時代である............ということだけだった。
取り敢えず名簿を眺めてみる。
僕の学校は田舎ということもあって例年人が少ないが、僕の年は何故か2クラス、計72人と多くなっている。
まあ、少子高齢化も進んでいるわけだから、名簿の下にある人数の合計が72人であることは偶然か。
しかし、目を名簿の名前に向かわせると不思議と、全員の名前を何処かで聞いたことがあるような気がする。
もしかしたらと思い、急いで僕の名前がないか確認する。
............これ以上見ては、面倒ごとに自分から首を突っ込むだけだとわかっていながらも、探してしまう。
............あった。
嘘だと思って一度目を擦ってみるが変わらない。
まあ、同姓同名なんて日本中を探せばいるものだからな。
そう自分にもう一度言い聞かせる。
然し、それにしては不自然なので、他の知り合いの名前も探してみることとした。
ある........................。
寝ぼけているのであろうか。
軽くストレッチをしてみたがやはり変化はなく、そこには、僕の名前を始め、怜の名前も、明日さんの名前さえも明記されている。
つまりこれは僕の学年の名簿だ。
気になって、ファイルの紙をもう一枚めくってみる。
マルクスが何かぶつぶつと独り言を呟き続けているが、まあ、それは気にしないとして。
次のページも名簿だった。
またもや僕の学年の。
だが、今度のは2ページ目のものとは違った。
何せ、数人の名前の振り仮名の場所に丸印と、数人の名前に黒塗りがされているのだ。
怖くなってファイルを勢いよく閉じる。
気がつかない間に僕は過呼吸になっていた。
と、時計をみるとそろそろ学校に行く時間になろうとしている。
都合が良いのでファイルはまた机の奥底にぐいぐいと突っ込んで、僕は学校への道を急いだ。
集中していて音は何も聞こえていなかったが、今日は雨だった。
湿気で髪がクシャクシャになるが、そんなことはどうでも良くて、早く学校に着きたいという気持ちだけが僕の頭の中で轟続けていた。
マルクスはというと、ずっと一人で喋っているし、話し相手になりやしない。
僕は、今までこんなことを思うことはなかったのにも関わらず、孤独でいることが淋しいのだということに気が尽かされた。
この沈んだ心に追い討ちをかけるかのように雨は傘を貫通するのでは無いかと心配になるほど強く振り続けた。
空は灰色に染まり、西の空はほんのり明るく、晴れていた。




