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1ヶ月後消える僕の全て  作者: 桜井 雪
第二章 友達
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閑話 「咲の過去」

明日ちゃんの過去について!

 私は昔、人気者だった。


 何故なら、そう、この前あいるくんに対して言ってしまいそうになったが“ちょろい奴”であるからである。

まあ、認めたいと思ったことなんて更々ないのだが、私はそんな事を人に言えるような立場の人間では無い............と言うことだ。

本当に酷い話である。


 つまり、実を言うと私、“明日咲”は、虐げられていたのだ。


 理由として考えられることはたくさん挙げることができる。


 まず、第一に大きいのは、弄りやすかった、そこだと思う。


 私は昔からクラスのお笑い枠のまあまあバカでまあまあ頓知の効く(多分............(自意識過剰なだけなのかもしれないが。))面白い子として皆んなの目には映っていたのだろう。


 その時は私も、まだ純粋無垢で凄い天然ちゃんであったし、何も考えずに“次はどうやって皆んなを楽しませようかな。”とか、“明日はどうやって笑わせよう?。”とか、そんな楽しみを持って学校に毎日毎日、楽しみにして行っていた。


 だが、それが変わってしまったきっかけがあった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 それは小学校5年生になる時のクラス替えである。


 私はその日も何時ものように、今までのように、同じように、面白いネタをワクワクしながら考案し、その夜が寝られないくらいに頑張って考えて行った。

完璧なはずだった。


 ーーが。


 然し乍らその日、不足の事態が起こった。


 私の前からの友達は大いに笑ってくれた。


 私の、本当の私を見て笑顔になってくれた。


 そして、その他の子達も一緒に皆んな笑ってくれた。


 楽しんでくれて、次が楽しみになる。


 その筈だった。


いや、そのハズなんてなかったのかもしれない。


 そう、その笑いは大きく二つに分断され、その、何時もと違うトーンの“嘲笑う”見下すような視線と嗤いは、今までにない心を砕かれる。


 そんな感覚だった。


 気色悪かった。

そんな心にグサっと刺さって抜けない、抜けてもそこから大量出血してしまいそうなほどに悲痛の嗤いには気持ちが悪くなった。


 勿論だけど、本当に笑ってくれた子、そうゆう子たちには本気で感謝しているし、大好きだ。


 私が滑ってしまった時に送られる暖かい瞳も、大好きだ。


 でも今度のは違う。

大嫌い。


 その冷えた汚い嗤い声に耳を澄ます。

本当は聞きたくない。


 でも、その時の私は、毎日人が愉しくなる事を考える事だけを生き甲斐にしていたような子供だった。


 だからだろうか。


 その嗤いに隠れた悪口を全部自分自身で背負って、自らの敗因を自分で考察し、まとめ、次に活かす。


 それが私の昔のモットーだった。


 でも今回は相手が悪すぎた。


 相手に『“何で?”何でそんなに幼稚だって言うの?』


 『どこがそんなに稚拙で気に入らない表現んだったの?教えて?』


 そう。

今から(今更)考えれば直ぐにわかる。


 答えは簡単だ。

私のような鈍間(ノロマ)を除けば誰でもわかる事だ。


A.うざったい。てか、うざい


 鈍感過ぎたのは私だけだった。


 卑屈な言葉を幾らと浴びせられた挙句、最後には二度と私が立ち上がれることのないように、重圧を加え、身体にも一生涯刻まれて遺るような傷痕を織り交ぜて教えられたさ。


 私にどんだけ人望がないって事をな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 次に、私が上を向く事を許されなくなるような苛めに遭ったのは私が弱くて、なのに“女の子らしくない”からだったのだと思う。


 私の親は昔から、女子だから、女の子なのだから。

そうやって煩く言う人達だっった。いや、嫌でも今でもそうだ。


 私がいじめの原因にそれが有るなんて言ったらきっと親は幾らでも冷静沈着で冷め切って伸びてしまったラーメンのように柔軟な私を怒鳴り散らかすことであろう。


 私は心こそ女だが、言動も趣味もどっちかって言うと男子だった。

と言うか、友達に欲しかったのも一緒にいて欲しかったのも笑って欲しかったのも認めて欲しかったのも慰めて欲しかったのもそうだ。


 そんなのはおかしい、可笑しいって、周りの大人はワーワーギャーギャー喚いた。


 私には大人たちの怒りの意味も、何故私にそれの矛先が向いてしまっているのかも、何もかも全てがイマイチよくわからなかった。


 何故私達はそんな枠組みに囚われて生活をしたていかなければならないのか?


 何故私たちはそうやって種類を分け、差別化を図りたいのか。


勿論、生物学的に男女で分かれたりするのは十も二十も一億も承知の上だ。


 でも矢張り余りにも枠が細かすぎる。


大雑把で不器用な私にはそんな枠に自分を窮屈に納めることなんて到底出来っこない。


 ところで、何でこんな話に持ち込んだのか、だ。

それは、私が“女子”と言う枠組みから丸っ切り外れていたから、踏み躙りやすかったのだと思う。


 カブトムシとクワガタムシと言う枠組みから突発して出てきたゴキブリくんかのように。

 

 だから決めたのだ。


 私はこれからの人生、逃げたっていいし、みんなと同じじゃなくていい。


 協調性が無いなんて言われても知ったこっちゃない。


 ただ、周りに囚われる必要性なんて皆無なだけだ。

そして何より、自分が好きな自分でいようと。


 久々にこんな暗い事を考えたら急にあいるくんのことが脳の鮮明な記憶がキラキラと蘇る。


多分私はーー

いや、今はいい。


 外を照らす月明かりのように儚げに彼の笑顔が脳内で炸裂する。


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