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1ヶ月後消える僕の全て  作者: 桜井 雪
第二章 友達
14/30

第十一話 (5日目) 「解らない何か」

 次の日。


 僕は3日目になってすっかり日常となった学校生活を始めるべく、色々と準備をする。


 と言ってもまあ、別にやる事も多くはないので折角5時に起きたは良いものの、仄かに明るい空を見上げるだけの時間を散々に長く過ごした。


 空は綺麗だ。


 人々のように黒い靄がかかっていない。

かかっていても霧だ。


 そしてそれも直ぐに(途までも言わないものの、)晴れる。


 気持ちもすんなり晴れればどんなにもよいことであろうか?。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 が、しかし!

......やることがない。

あ。


 思い出したら吉“時”とかなんとやら。


 久しぶりに朝ごはんもしっかりとって、いよいよ本当にやることがなくなってしまった。


 ............怜に電話しよ。


 僕はケータイを手に取ると通知の溜まりきった薄緑の蛍光色のアイコンを押す。

と、時間を見る。


 6時半。

以前(と言っても6年も前の話ではあるのだが。)怜の家に泊まった時、怜は朝7時過ぎに起きた僕よりも、いつも1時間も前に起きてるんだぜ。


 そう言ってふふんと鼻を鳴らしていた。


 今になって考えると、別に6時起きって言うのはそこまで早起きというわけでもないんだなと思う。

だが、怜に電話をしようとタップするところで矢張り手が止まる。


 うん。

辞めておこう。


 そう考えると僕はケータイをポケットにしまってベッドに寝っ転がりながら参考書を開く。


「本当に良かったのかよ。俺様だったらちゃーんと今のシーン楽しい電話が始まってたんだけどなぁ?!」


 マルクスは僕を矢鱈と煽りたいらしい。


 段々と朝日に逆行して沈んでゆく僕の感覚とは裏腹に、ピンポン、ピンポンと家のチャイムが煩く鳴り響く。


.................?!

『もしもーし?』

『あのぅ〜』


 そんな見知った怜と明日さんの声が聞こえる。

時計を見ると、学校へ出発しようと思っていた7:10分をとうに越して、気がつけばそこから20分も経っていた。


 うわっ。

っと僕はベッドから跳ね落ちる。


 別にかなり早く行くと言う予定が狂ってしまったのは少々悲しいが、まあいいだろう。


 別に今から出ても全然間に合うし...


 取り敢えず鞄を持って外に出る。

っと、髪を触って鏡を覗く。

......僕だ。

(当たり前だけど。)


 自転車のカギを手に外に出ると、二人は何やら話をしている。


 何かが刺さったようだった。


 .........楽しそうでなによりだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 学校についてからは勉強なんてもってのほか。


 理解しようとするだけムダだから、取り敢えず明日さんを思い浮かべる。

怜も思い浮かべる。


 ......すると何故だか僕の居場所なんか無いんじゃないかと思ってしまう。


 何か哀しみとは違う。

そう。


 何かが僕に引っかかって離れない。

嗚呼。もう。


 もう嫌だ。

マルクスは僕をさっさと殺してくれればよいものをっ!


 「それは無理だな。」


 マルクスは、黒板を見えなくするようにして僕の前に姿を現す。


 ......天界が混み合っているんだろ。

僕は自分の机にうつ伏せになる。


 わかってるんだよ。わかってる。頭の中では分かっているんだ!


 「そのとーり!」


 それだけを口走ってマルクスはさっさと消えていった。


 別に何事もなく、寝たり考え事をしたりで今日の1日は呆気なく終わってしまったーー。


 そう、思われたのだが。


 やっほー!あいるーーー!と言う、明日さんの声が教室中に響き渡る。


 辞めろよ。

とでも言う風に怜は明日さんを止めに走る。


 「はぁ。」

僕はうつ伏せの姿勢のまま小さく、誰にも聞こえないように溜息を吐く。


 なんであいつらは。

なんで?何故?


 急に涙袋に液体が溜まってゆく。


 ホロリと小さな雫が音も立てずに机に流れ落ちる。


 いや。駄目だ。

僕はこんなところで終わってどうするって言うんだ。


 そうだ。

元気を出せ。アイル!!


 僕は......いや!俺は。

こんなところで泣いて誤魔化すような柔な男じゃねえんだよ。


 僕はガッタンと大きな音を立てて明日さんの方に目線を向けると、少しだけ早足になってその彼女のいる方向へ向かう。

そして彼女の手をパシッっと取ると、まひろのおっさんのいる職員室へと足を運ぶ。


......段々と足取りを早くしながら。


 後ろからは一人の足音が聞こえる。




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