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1ヶ月後消える僕の全て  作者: 桜井 雪
第二章 友達
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第八話 (4日目) 「初登校の一日」

キーンコーンカーンコーン

久しぶりに聞く、このチャイムという名の束縛により、ドタバタと多くの人が着席した。

(僕にとっては)初めてのホームルームが始まる。

とまあ、僕は緊張しながら椅子の上で静止する。

いや、正確にいえば、ガタガタと小刻みに震えていたのかもしれないが。


欠席の確認を取ると言う趣旨の内容の言葉を誰だか知らんが、担任がとった。

「えー。」

今日休んでいる幾つかの知らない苗字が並ぶ。

「ダ、、、、、、は、いな?!」

「い、いる?!」

この2文字をこのクラスの(1名を除き)殆どが叫んだであろう。

そんなに驚くべき事であったのだろうか。

最も、僕はこの出席確認を聞いてすらいなかったから、何故多くの人が自分の方を向いているのか、訳もわからなかったのだが。


長い沈黙。

時間にして30秒。

な、何があったのか。

わからない。

と、思うとまたホームルームは再開される。

一瞬の叫び以外は何事もなかったかのように終了した。


、、、、、、と、思われたのだが。

何故だか、僕は先生に名指しされ、自己紹介をされながら廊下を歩いていた。


ここで一回情報を整理しよう。

・ホームルームティーチャーは島田(しまだ) 忠志(ただし)

いや、たけしだったけか?

まあいい。

どっちだってたいして変わらないしな。

・僕が呼び出された理由だ。

このた()し曰く、特に、必ずしも参加しなければならないイベントがある訳でもなく、理由もなく“僕が突然この学校に来たから”だそうだ。(理不尽にも程があるだろ。)

第一、学校に来るのがこの世界の理論上“正しい”んだろ。

“普通”なんだろ。

なら、今日の僕は至って普通、何時もの様に異端者じゃないわけだが、なぜ呼ばれなければいけない?

絶対におかしい。


色々と考えているうちに、いつの間にか職員室へと誘導され、座らされ、どうやらこうやら、、、と何かを言っているが、朝であった事もあり頭がふわふわして何も理解できない。

ボケーッとしていると、挙げ句の果てには

「放課後にも“此処”へ来い」

と、言われてしまった。

、、、、、、別に、何もしていないのだけれど。


数学、現代国語、家庭科、英語、、、

今日の時間割は大体こんな感じだな。

分からないだろうから、と身構えた事は良いものの、カケラも分からないのだから意味もない。

マルクスからはバーカと煽る声援が“有難い事”に聞こえてくる。

だから、その殆どを寝て過ごした。

誰も僕には目を向けず、僕がいないかの様に振る舞った。

「よっ。」そうやって怜は僕に話しかけてきたが、僕が返事をしないと、周りにいる生徒たちの冷ややかな視線を感じてか、本命の内容を言わずに立ち去っていった。

給食も余り喉を通らなかった。

否、普段もそこまで食べないのだが。


ー7限目ー体育ー

マラソン、、、か。

僕は実質10年近く走っていない。

家で軽く筋トレすることを欠かしていたら、僕は今頃歩けもしなかっただろう。

(よかった、、、)

学校に通っていた小学生低学年の頃にも、お腹が痛いから、足を怪我したからなどといって殆ど参加していなかった体育。

よくズル休みをする奴等の様に(僕が言えたっこっちゃ無いんだが。)、運動が嫌いだからとか先生が嫌いだとか言う様な理由もあるにはあった。

でも、実際には面倒臭いとか、あまり大した理由もなかった。

兎に角、今までうまくいかなかったと言う経験から、これからの未来にも希望が持てなくなり、諦めてしまっていた。

「だ、か、ら、君はそのネガティヴ思考が良くないんだ。」

「もっとポジティヴに、希望を持って生きて来ても良かったんじゃないのかっ?」

嗚呼、もう。

どうだっていいだろ。

マルクスには関係のないことなんだよ。

僕はもう直ぐ死ぬ。

もう後悔したって、遅いんだ、、、、、、

小さい頃からそんな風に、今でも馬鹿だがもう少し、少しだけ賢くて、人並みくらい(いや、偏差値にして、40くらいだったていい。高望みするつもりはない。)頭が回れば、こんな事には、ならなかったんだよっ!?

「後悔しても遅いっていってる張本人が一番後悔してるな。」

「俺様はもう、お前の過去は変えられない。」

「でも、未来は、この1ヶ月は多少ながら変えられる。」

だから、お前は、何が言いたいんだ!

「もう出てこなくていいよ。」


、、、、、、

2人(1人と1神)の間に眠りを襲う様な長く深い沈黙の時が流れる。

空も共に流れるーー。


気まずさから僕は別の事を考えていようとネタを探す。

、、、、、、そうだ、体育は他の多くの教科よりも寝づらい。

だから、どう見学するか(もっとも、見学といっても、ぼーっと眺めるだけで、見学シートなるものは書く気もさらさらないから、何も学ぶことはない。)考えなければ。

、、、、、、思いつかない。

まあ、普通に適当に見学しよ。


と、考えているうちに、チャイムがなり、整列している生徒等の前にごっつく厳つい先生がやってきた。

名前は知っている。

時間割表に書いてあった。

東葛 真博だ。

、、、、、、多分。(合ってる、、、、、、のか?)

僕は今まで人と付き合わない様にしていたから(不登校だから見る人なんていやしないんだが。)人の名前なんぞ覚えられる気がしないのだが。

馬鹿だし。

まあ、コイツに何も言われない事を願いながら声を掛ける。

そして、適当な理由をつけて見学の旨を伝える。

この先生は見た目に依らず優しいと言う事で有名だ。

多分何事も無くOKされるだろう。

、、、、、、でも大丈夫だろうか。

逆に僕がボコボコにKOさせられる様な羽目にはならないだろうか。

心配、、、、、、

いや、結局そんなのは些細な事に過ぎないことなんだよ。

よし。


僕を後押しする様に晴れ渡る、快晴の空には、薄い暗がりの雲が微かに近づいて来ている事が見えた。


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