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第998話 中村たちと遭遇

 プリクラを撮ったあと、私たちはエアホッケーのところにやってきた。

 やっぱり土曜日だし、時刻も十一時を過ぎてるからお客さんも増えてきたからか、エアホッケーをしている男子の集団がいた。

 しかもその中に中村君がいた。お友達と合流して楽しく遊んでいるみたいで、私もちょっとだけ嬉しくなった。

 中村君のお友達を見ると、何人か見覚えのある人がいた。

 あの人たちは確か、一年の学年末テストの勉強を真人とファミレスでしていた時に、私たちに声をかけてきた人たちだ。

 一緒に勉強しようと言って近づいてきて、真人を半ば無視して私に近寄ろうとしてきた人たち……ちょっと苦手と思ってしまい、またあとでエアホッケーをしようと思い移動しようとしたら、ひとりに気づかれてしまった。

 その人は私を見つけると、ハッとした表情をしたと思ったら、笑顔でこちらに近づいてきた。

 嫌な予感をしてしまったけど、ここで逃げるのもあからさまで失礼だし、ここで遊んでいる間、ずっと中村君たちに意識を割かないといけないから、美奈ちゃんは絶対に守る決意をして、美奈ちゃんの手をキュッと握り、その場に留まる選択をした。

「キミ、確か前にファミレスで会った圭介の知り合いだよね? うわぁ、チョー偶然じゃん!」

「そ、そうですね……」

 あの時よりも距離の詰め方が早い。初対面じゃないから、なのかな?

 ひとり、またひとりと私たちの近くへやって来ては、前に会ったことがある人たちはこの再会を喜んでいるみたいで、思い思いのことを口にしている。

「うわ、誰かと思えば前にファミレスで会った可愛い子じゃん!」

「相変わらずめっちゃ可愛いね!」

「てかこれもう運命じゃね?」

「真面目に勉強してたのに、ゲーセンにも来るんだね」

「あれ? 今日はあの時一緒にいたカレシはいないんだ。もしかして別れ───」

「別れてません!」

 その言葉を最後まで言わせるのはどうしても嫌だったので、言い切られる前に声を大にして否定した。

 私と真人が別れるなんて絶対にありえないことを……冗談でも口にしてほしくない。

「やめろってお前ら!」

 一番最後にやって来た中村君が彼らの後ろから大きな声を出した。

 中村君の顔を見ると、ちょっと眉を吊り上げて怒っているみたい。

「そういや圭介ってこの子と知り合いだったよな? え、別れてねーの?」

「中筋は部活なんだよ。ふたりは婚約してるんだから別れるなんてありえねーよ。だからナンパはやめとけ。ちなみに一緒にいる女の子は中筋の妹な」

 中村君が私たちのことを説明してくれて、それを聞いた中村君のお友達はみんな驚いていた。

「……え? 婚約!?」

「キミ、アイツと婚約してるの!?」

「……してますよ。だからと言って、私の義妹ぎまいに声をかけるのはやめてくださいね」

 どういう意味で真人を『アイツ』呼ばわりしたのかは気になるけど、今は美奈ちゃんを守るのが大事だから、気にしないようにしないと……。

「ほら、ここで西蓮寺をナンパしてるのが店長に知れたら怒られるんだから、早く次のとこに行こうぜ」

「あ、あの店長な……。てかなんで店長が怒るんだよ? 普通に声かけるくらいじゃ怒らなくね? 店に迷惑かけてるんじゃないんだからよ」

「ふたりの関係を店長も知ってるからだよ。怒られないうちにさっさと行くぞ! またな西蓮寺」

「ちょ、おい……圭介!?」

 中村君はお友達の手を引っ張ったり背中を押したりして、無理やり連れて行ってしまい、私と美奈ちゃんは呆けながら「また……」と言い、私は半ば無意識に手を軽く振って中村君たちが小さくなっていくのを見ていた。

「なんだか嵐みたいだったね」

「う、うん……」

 本当に台風が過ぎ去ったみたいな……そんな感覚。

 それにしても……中村君がいなかったら、店長さんが来るまで真人と別れた別れてないの問答が続いて、美奈ちゃんも危なかったかもしれないから、中村君には感謝しないとね。

「あ、美奈ちゃん。エアホッケー空いたから勝負しようよ」

「う、うん」

 いつまでも呆けていたらエアホッケーができないし、早くしないと別の人たちに取られちゃうと思った私は、美奈ちゃんの手を引いてエアホッケーの台に行き、素早く百円を入れ、出てきたパックを美奈ちゃんに手渡した。

「はい。美奈ちゃんからのサーブでいいよ」

「わかった。……エアホッケーは久しぶりだけど、負けないよお義姉ちゃん」

「私だって負けないからね美奈ちゃん」

 私たち義姉妹はエアホッケー台を挟んで向かい合い、中村君のお友達がそのままにして行ったマレットを持った。

 美奈ちゃんとの初対決……すごく楽しみだよ!

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