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第984話 美奈のタイプの男性

 お姉ちゃんの妊娠がわかった翌日の七月八日土曜日の午前中。

 私は美奈ちゃんと一緒にアーケード内を歩いていた。今日は部活がおやすみになったから、春休みにゲームセンターの店長さんの磯浦さんと話していた美奈ちゃんを紹介する約束を果たすために。

 お昼に真人を迎えに駅に行こうとしたんだけど、暑い中待たせるのは申し訳ないからって真人に強く止められちゃったから残念ではあるんだけど、美奈ちゃんを家に送ったら真人に会えるから楽しみ。

 昨日、美奈ちゃんと今日の約束をする前にお姉ちゃんの所に行こうと思って、夜に電話をしたんだけど、『毎日来るのは大変だろうし、明日には家に帰るから来なくても大丈夫よ』って言われちゃった。

 もうすぐ夏休みになるし、お姉ちゃんが家にいる間はしっかりとサポートしなくちゃ……!

「ねえ、お義姉ちゃん……」

 美奈ちゃんに呼ばれてそちらを見ると、美奈ちゃんはちょっと不安そうな顔で私を見ていた。

「どうしたの美奈ちゃん?」

「今日、本当にあの店長さんと話するの?」

 昨日、そのことを美奈ちゃんに話したんだけど、やっぱりまだ不安なんだ。

 春休みからけっこう経っているけど、美奈ちゃんと店長さんの間にまだ繋がりはない。店長さんが真人の妹の美奈ちゃんと話したいけど自分が強面だから話しかけにいけなくて、美奈ちゃんは相変わらず店長さんに苦手意識があるままだ。

「うん。店長さん、お義兄さんの親友で、店長さん自身もすごく優しい人だから怖がることないよ」

「翔太さんの親友って聞いた時はびっくりしたけど、でもあの人、私を見かけるとチラチラ見てくるから……」

「きっと真人の妹って聞いて、お話してみたいって気持ちが出ちゃってるだけだよ」

 真人の妹って知ってからは、きっとお話してみたいって気持ちがさらに強くなっちゃってるはずだから、美奈ちゃんをチラチラ見てしまうのは半分くらい無意識な気がする。

 気になる人をチラチラ見てしまう気持ちははよくわかるよ。私も当時から真人をチラチラ見ていたから。

「大丈夫だよ。店長さん本当に優しい人だし、私もついてるから。ね?」

「うん……」

 私が美奈ちゃんの手を握って笑顔を向けると、美奈ちゃんも頷いてくれた。美奈ちゃんも店長さんと話したら絶対に印象が変わるから、この不安ももうちょっとでなくなるよきっと。

「美奈ちゃんって、やっぱり優しい感じの人が好きなの?」

「……えっ!?」

 突然男性のタイプを聞かれて目を見開いて私を見る美奈ちゃん。ちょっと唐突すぎたかな?

「店長さんのような強面の男性が苦手なら、お兄ちゃんのような優しい人がいいのかなって思って」

「そ、そりゃ……怖い人より、優しい人の方がいいって思うのは、当然というか……」

 美奈ちゃん……頬を赤くして顔を伏せてもにょもにょと話している……かわいい!

 本当に真人が好きなんだね。

 そしたら何かに気づいたようにハッとして、顔が赤いままちょっと私を睨んできた。

「べ、別にお兄ちゃんが好きじゃ……好きだけどっ! そういう好きじゃないから! お義姉ちゃんの言ったように、優しい人の方が好きってだけだからね!」

「うん。わかってるよ美奈ちゃん」

 この必死に弁明しようとしている姿が本当にかわいくて、自然と表情がにこにこになっちゃう。

 それに勢いで『好きじゃない』と言いかけて訂正したから、本当に真人が好きなのも伝わってきて、兄妹の仲の良さを見れてとっても嬉しい。

 美奈ちゃんは優しい、柔らかい雰囲気の人が好きなんだよね。そうしたら……真人はもちろん、お義兄さんや健太郎君、それから久弥君みたいな人がいいのかな? 逆に泉池さんは苦手なのかも……。

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