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第973話 家族に伝える

 夜、綾奈とのランニングを終え、お風呂から上がった俺はリビングに。

 父さんが夕食を食べていて、母さんがキッチンで作業、そして美奈はソファに座ってバラエティ番組を見ていた。

「真人。そろそろ教えてくれるのよね? 昼に言った聞いてほしいことを……」

 仕事で帰ってくるのが遅い父さんよりも先に、俺たち三人は夕食をいただいたんだけど、その時には言わなかった。先にふたりに教えてもよかったのだけれど、やっぱり全員揃ってからかなという気持ちが強かったから。

 いつもならもう自分の部屋に行っている美奈も、これから俺が話すことが気になるのか、ずっとここで待っているようだし。

「うん」

 俺は返事をしながら冷蔵庫を開けて水の入った二リットルのペットボトルを取り出し、氷の入ったグラスに水を注ぐ。

「ん? なんだ真人。俺たちに伝えたいことがあるのか?」

「うん。大事なことだから、父さんが帰ってくるのを待ってたんだよ」

「お兄ちゃん赤点とったの?」

「取るか! というか今日テスト終わったのに結果なんて出てないって」

 なんでうちの家族が揃ったこの場で赤点報告をせにゃならんのだ。というかそれ、もはや罰ゲームの類だぞ。

「綾奈ちゃん関連かしら?」

「……まぁ、関連がないとは言わないけど」

 麻里姉ぇのことだから、綾奈だけじゃなくて西蓮寺家の皆さん全員が関係しているしな。

 俺はテーブルに移動し、水を半分くらい飲んでから三人に伝えた。

「実は、麻里姉ぇが妊娠したんだ」

 それだけ言って、グラスをテーブルに置いたんだけど、三人はなんのリアクションもなかった。

 ……いや、まさか麻里姉ぇの妊娠報告とは露ほどにも思ってなかったので脳がちゃんと処理するのに時間がかかってるんだな。初めて明奈さんのメッセージで知った俺と同じだ。

「まぁ! 麻里奈さんが!? 本当なの真人!?」

「本当だって。テスト終わりに明奈さんからのメッセージを見てびっくりしたし。……ほら、これがそのメッセージね」

 俺は近くに置いていたスマホを手に取り、メッセージを画面に表情してみんなに見せた。ちなみに俺がスマホをいじっている間に母さんと美奈は近くに来ていた。

「ほ、本当だ……」

「綾奈さんのお姉さん……マジでおめでたなんだな」

「それでお兄ちゃん、麻里奈さんには会ったの?」

 みんなが『麻里姉ぇの様子はどうだったのか教えろ』と目で訴えてくる。

 急かさないでもちゃんと教えるから、とりあえず父さんは夕食を進めてほしい。

「元気にしてたよ。ベッドに座っていたけど、それ以外はいつも通りって感じだった。それと、今は十週目って言ってた」

 俺が簡単に説明をすると、みんなは俺から目を離し、それぞれ思うことを口にしていた。

「麻里奈さんと翔太さんの子ども……どんな子なんだろう?」

「絶対にイケメンか美少女になるだろうな」

「あ、まだどっちかわからないんだ」

「性別がわかるのはもうちょっと先になるみたいだぞ」

「へー! すっごい楽しみ」

 美奈は顔をほころばせている。本当に楽しみにしているのがわかる。

「近いうちに麻里奈さんにご挨拶に行った方がいいわね。でも、忙しいだろうし体調も優れない時もあるだろうし……明奈さんにも会ってお話をしたいわね」

 母さんは麻里姉ぇへの挨拶を考えているようで、訪ねる日を入念に考えている。

「挨拶って早い方がいいの?」

「そりゃ、妊娠がわかってご挨拶を先延ばしにしたら申し訳ないでしょ? あーいつがいいかしら……?」

「明日は高崎の合唱部は臨時休みになってるから、ずっと家にいると思うけど……アレだったら麻里姉ぇに聞いてみようか?」

 母さんも麻里姉ぇの連絡先は知ってそうな気はするけど、俺から連絡した方がまだ聞きやすいかな。

「そうね。お願いできる?」

「うん。このあと聞いてみるよ」

「お母さん! 私も行きたい」

「俺も行くよ。真人がいつもお世話になってるのに、ちゃんと挨拶しないのも申し訳ないし」

「……そうね。みんなで行きましょう」

 どうやら三人で一緒に行くので決まりそうだな。

「お兄ちゃんはどうするの?」

「俺? 俺は明日部活あるし、二日連続で行くのはなんか気を遣わせそうで……」

「麻里奈さん、お兄ちゃんが来たら絶対喜ぶと思うよ」

「うわぁ~目に浮かぶ……」

 こんなに想像しやすいのはなかなかないぞ。翔太さんも絶対に麻里姉ぇと一緒だろうな。

「……だけど大人数で行くのもちょっと憚られそうだから、やっぱり俺は遠慮するよ」

 うちの家族総出で行くとなると、それこそ気を遣わせてしまう。

 俺を挟んだ方が麻里姉ぇたちにも母さんたちにもいいクッション材になりそうだけど、大人数の対応をする麻里姉ぇと翔太さんの負担を考慮すると、やっぱり遠慮しといた方がいいと考えてしまう。

「そっか。残念……」

「麻里姉ぇか翔太さんにメッセージしておくから、後で報告するよ」

 そう家族に伝え、俺はスマホと飲み物を持って自分の部屋へ移動した。

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