第972話 食事のあとのイチャイチャタイム
昼食を食べ終え、食器を洗い食器乾燥機にかけ、俺たちは綾奈の部屋へと移動した。
綾奈のベッドに腰掛けると、綾奈は髪を束ねていたシュシュを外し、シュシュをローテーブルに優しく置いた。
それを見て、俺の心臓は鼓動を早めていた。
これからイチャイチャするから……だからシュシュを外したんだろうから。
イチャイチャに夢中になると、きっとシュシュのことは頭から抜け落ちる。俺がプレゼントしたシュシュだからこそ、そんなぞんざいには扱いたくないと思ってくれているからこそ、先に外したんだと思う。
現に、あのシュシュをプレゼントしてからそろそろ半年が経とうとしているのに、汚れや痛みがほとんどない。
顔を窓の方に向けると、隣同士で並べられた二匹の猫のぬいぐるみ……まぁくんとあーちゃんにも汚れもないしホコリもかぶってない。
こういうのを見ると、贈った本人としてはやっぱり嬉しくて、自然と口角が上がる。
まぁくんたちも良かったな。本当に大切にしてくれるご主人様で。
「どうしたの真人?」
そう言いながら、俺の腕に抱きついてくる綾奈。
てぃ、Tシャツだから、柔らかい感触がいつもよりダイレクトに……!
「……真人?」
「っ!」
しまった! 俺が何もせず、何も言わずに硬直していたから綾奈が不思議に思って声をかけてきた。
ここで正直に言うこともできるが、そうすれば十中八九綾奈は照れてしまうから、ここはキョロキョロしていた理由を話して意識を逸らすんだ。
「いや、まぁくんとあーちゃん、キレイにしてくれているんだなって、思ってね」
「そんなの当たり前だよ。真人がプレゼントしてくれた子たちだもん。真人から貰ったものは、なんでもすっごく大切にしてるんだよ」
そう言いながら、綾奈は俺の膝の上に自分の頭を乗せた。
ドキッとしながらも、条件反射のように頭を撫でる俺。
と、とにかく綾奈の意識が逸れてくれて良かった……!
綾奈は体を仰向けにしようとしたので、俺はそれを待ってもらい、ベッドの上にちゃんと乗ってからあぐらをかいて、綾奈を見ながら自分の膝をポンポンと叩いた。
それを見た綾奈は、にっこりと微笑みながら膝立ちでベッドの上を進み近づいてくる。
これなら体勢を変えて落ちる心配はほぼないからな。さっき俺を甘やかしてくれた分、きっとめっちゃ甘えて膝枕を堪能するはずだ。
そう思ったんだけど……。
「……?」
綾奈は俺に近づき、膝枕をするのかと思いきや、俺の両肩を持った。
「あや───!」
次の瞬間には、俺の唇は塞がれていた……綾奈の口によって。
さすがにびっくりしたけど……綾奈、今回も積極的だなぁ。すぐに綾奈から舌を入れてきたし。
「ん……ふぅ……ましゃと……ん」
キスをしながら、綾奈は俺の肩に置いている手の力を強めている。俺を押し倒すつもりのようだ。
だけど、ここで俺が押し倒されたらヘッド部分に頭をぶつけてしまうし、小物も置いてあるからそれも倒してしまう。
それを気にしていないということは……だいぶ深く甘えモードに入っているな。
わりと唐突なことが多いよな。甘えモードに入るの。
それだけ俺とイチャイチャしたり甘えたいと思ってくれていたから、めちゃくちゃ嬉しいんだけどね。
とはいえ、ここで押し倒されるわけにはいかないので、俺も動かないと。
俺は綾奈と激しいキスをしながら、ゆっくりと綾奈と同じように膝立ちになる。
そして綾奈の頭と腰に手を回し、細心の注意を払いながら綾奈を倒していく。
甘えモードに入っている綾奈だけど、特に抵抗することもなく、お尻をベッドにペタンとつけてくれたので、ゆっくり……ゆっくりと綾奈を倒していく。
倒しているあいだ、綾奈が俺の首に手を回して逃がさないといわんばかりにロックされるが、俺も逃げるつもりはない。
慎重に綾奈をベッドに倒し、俺は唇を離した。
「ゆっくりとしたけど綾奈、足とか腰とか痛めてない?」
「大丈夫。全然痛くなかったよ」
「良かった~……」
どうやら無事にできたみたいだ。
「ねえ、ましゃと……」
「ん?」
このあとに続く言葉がなんなのか理解していながらも、俺は優しく促してみる。
「もっと……」
「うん」
そんな短いやり取りの直後、俺たちはどちらともなく唇を重ね、舌を絡め合う。
俺たちは時間を忘れて互いの唇を求め合った。




