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第604話 真人は有能?

 三月二十八日の火曜日のお昼。

「ごちそうさまでした!」

 うちのリビングに、綾奈の声が響く。

 部活が終わった綾奈がうちに来て、俺が作った昼食を見事に完食していた。

 ちなみに今更だがこの春休みはお泊まりはナシだ。

 ナシの代わりに、二人とも時間が空いているなら、出来るだけ一緒にいようということになり、部活が終わった綾奈は一度自分の家に帰って、着替えてうちに来たのだ。

 そして母さんは出かけている。

 文字通りの完食で、お皿にはマジで何も残ってない。食べたあとも綺麗とか完璧すぎるだろ。

 綾奈と何度も一緒に食事をして、いつも綺麗に食べていたけど、今日は今までで一番綺麗に食べてくれていた。

「お粗末さまでした。すごいな、ご飯粒がひとつも残ってない」

「だって、せっかく旦那様が作ってくれたものだもん。お米の一粒も残すのはもったいないよ」

「作ったって言っても普通にチャーハンを炒めて、他に野菜を盛り付けただけだけどね」

 冷食のチャーハンを炒めただけなので、やろうと思えば誰でも出来る。これを手料理と呼んでいいのかはちょっと怪しいけど、綾奈が喜んでくれたならいいや。

「確かに、普通に美味しかった」

 そして、俺たちと一緒に食べていた美奈も感想を口にした。

「冷食だけどな。ありがとう美奈」

「というか食べたあとに言うのもアレだけど、お兄ちゃん普通に手際良すぎなかった!?」

「え、そうか?」

 普通に熱したフライパンに油を入れて、そこから凍ったチャーハンを投入しておたま……レードルで混ぜていただけなのに……。

「そうだよ! お皿に盛るときもちょっと形が崩れちゃったけど、お店で出てくるような半円になってたし」

「それは私もびっくりした。ある程度お料理をしてないと難しくて出来ないと思うけど……」

「母さんに料理を教わって、休みの日の昼飯はちょいちょい自分で作ってるから。ちょっとカッコつけようとして失敗しちゃったけどな」

 料理を教えてもらっているけど、今は実践するのは休日の昼に限定されてるから、あんまり上達しているという実感はない。

 この春休みの間は、夕食も手伝おうかな?

「お兄ちゃんがどんどん有能になっていってる……」

「お前は中学までの俺を一番知ってるから言えるだけだよ。スタートが最底辺だったから、まだまだだよ」

「高校生でケーキ作れる人がまだまだって言っちゃったら、ほとんどの人がそれ以下になるよ!」

「ガトーショコラも、クッキーもマドレーヌも、翔太さんと拓斗さんの助力があったからこそ作れただけで、俺ひとりじゃ何も出来なかったよ」

 翔太さんが言ってくれなければ、綾奈のバースデーケーキを自分で作るなんて発想はなかったし、拓斗さんが誘ってくれたから、まあまあなクッキーとマドレーヌを作ることが出来た。

 あの二人のイケメンのおかげなんだ。

「有能な上に謙虚でストイック……。お義姉ちゃん、今のお兄ちゃんを見てどう思う?」

「素敵、大好き♡」

「聞くまでもなかった」

 綾奈が即答、なんの躊躇いもなく俺を褒めてきたので、ドキッとして顔を逸らし、右手の甲で口を隠したので、このあとお決まりの、「真人かわいい」をいただきました。


 昼食も終わり、俺が洗い物をしていると、インターホンが鳴った。

 あ、もうそんな時間か。

 美奈は自室に戻り、綾奈は手伝おうとしてくれたけど、俺はそれをやんわりと断り、先に部屋に戻るかリビングでテレビを見てもらうように言ったんだけど、さっきまでご飯を食べていた食卓の椅子に腰掛け、にこにこしながら俺を見ていた。

 大好きなお嫁さんの可愛い笑顔を見ながらの家事……いいな。

 おっと、今はそれよりも外で待っているお客さんだ。早いとこ玄関を開けないと。

「ごめん綾奈。出てもらっていいかな?」

 だけど、俺は洗い物をしていて、中断して手をふいてからよりも綾奈に出てもらった方が早いと思った俺は、冬休みに茉子が来た時みたいにお願いをした。

「わかった。任せて」

 実は綾奈にもお客さんにも双方が来ることを伝えているから、綾奈は躊躇いなく俺のお願いを聞き入れてくれて玄関へと向かった。

 俺は水を止めながら綾奈が廊下に出るまで見届け、手をふいて玄関へと向かった。

 そして俺が廊下に出る前、来客を出迎えた綾奈とお客さんの驚きの声が聞こえた。

「こ、こんにちは綾奈先輩」

「いらっしゃい横水君!」

 予想通り、うちに来たのは修斗だった。

ご覧いただきありがとうございます

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