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クラス転移したひきこもり、僕だけシステムがゲームと同じなんですが・・・ログアウトしたら地球に帰れるみたいです  作者: こたろう文庫


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空席

魔法学院へは明日からすぐに通えるようにしてくれるとのことなので、また明日の朝に正門の前に来ることになった。

そこで、必要な書類を記入して正式に在籍していることになる。


今日やることはなくなったので帰ろうとするけど、ベレッタさんには学院の案内以外にも学院長に頼まれた事があるそうだ。


「学院長がクオンさんにお会いしたいとのことです」

アリオスさんの推薦状を持っていたからという理由で特待生扱いでの入学を許されたと聞いたばかりなのに、名指しでここのトップに呼ばれていることに違和感を感じる。


「理由をお聞きしてもよろしいですか?それから僕1人の方がいいですか?」

特に断る理由は特にないけど、先に理由は聞いておきたい。


「アリオス殿が絶賛する方とお話ししたいと言っていました。ヨツバさんとイロハさんも一緒で構いません」

推薦状の中身を読んでおけばよかったと後悔する。

アリオスさんは僕のことをなんと書いたのだろうか……


「わかりました。どうすればいいですか?」


「ありがとうございます。学院長室に案内します」


僕達はベレッタさんに案内され学院長室に行く。


「学院長、クオン様達をお連れしました」


「ご苦労様です。入ってもらって下さい」


「私はこれで失礼します。在籍されている間、何かお困り事がありましたら遠慮なく声を掛けてください」


「ありがとうございました。その時はお願いします」

僕達はベレッタさんと別れて学院長室に入る。


「よく来てくれました。学院長のマリエールです」

学院長は少し歳のいった女性だった。


「初めまして。クオンといいます」

ヨツバとイロハも挨拶をする。


「急に呼びつけてすみません。アリオス様の試験をクリアされた方とお話をしたかったのです」


「試験って何のことですか?」

模擬戦をしたことだろうとは思うけど、試験ではなかった。


「ご存知ないのですね。有名な話ではあるのですが、アリオス様が騎士をされていた頃の話なので知らなくても仕方ないのかも知れませんね」


「えっと、なんのことかわからないのですけど……?そもそも試験を受けた記憶はないです」


「アリオス様が以前は騎士団長をされていたのはご存知ですか?」


「はい、知ってます」


「アリオス様は第1騎士団の団長でした。アリオス様が退団された場合、第1騎士団長の席が空くことになります。その席に座る騎士を決める為に、アリオス様が試験を行いました。それがアリオス様の最後の騎士としてのお仕事です」

アリオスさんの後釜を決める為の試験をアリオスさん自身がやったということか。


「その時の試験と同じ事を僕は知らないうちにやらされていて、クリアしたということですね?」


「はい、そうです。試験の内容は単純なものです。アリオス様と模擬戦を行い、どんな形でも構わないので一撃入れるというものです。剣でも魔法でも構わないので一撃入れれば試験をクリアしたことになります」

それならアリオスさんが手加減していたとはいえ、クリアしていたことにはなるな。


「今の第1騎士団の団長はその試験をクリアした人の中から選ばれたということですね」


「いえ、違います。誰も試験をクリアすることが出来なかったのです。アリオス様は試験を受けた者全員を不合格にして、空席のまま退団しました」

その時のアリオスさんは本気だったのだろう。


「それなら今の第1騎士団の団長はどうやって決めたのですか?」


「今も空席のままです。一応、副団長が団長の仕事も担ってはいますが、団長ではありません」


「それだとずっと団長の席は空席のままですよね?」


「現在は空席になっていますが、ずっとではありません。アリオス様は退団後も頼めば模擬戦を受けてくれます。今度こそはと挑んではいるものの未だに一撃入れることが出来ていないだけです。アリオス様は退団した身なので団長の椅子は好きにして良いと言っているのですが、残された者がそれを拒んでいるのが現状です」

なるほど。まあ、残された側からすれば認められるまでは空いているからといってなりたいとは思わないか……。


「確かにやったことだけを聞くと試験をクリアしたように聞こえますけど、僕と模擬戦をしていた時、アリオスさんはかなり手加減していましたよ。攻撃も僕が一方的にしていただけで、アリオスさんは手を出していませんでしたし……」


「実際に私は見ていないのでアリオス様がどの程度手加減をされていたのかは知りませんが、アリオス様は試験の際も本気は出していませんでしたよ。アリオス様が手を出してもいません。アリオス様が本気であれば一撃入れるなど不可能でしょうから試験として成り立ちませんよ」

本当に同じ条件だったとして考えるならば、騎士達は騎士道精神みたいなものが邪魔をして搦め手を使わなかっただけだと思う。

幻影のスキルを使わずに、水魔法と火魔法のスキルだけで正面から戦っていたら、どれだけ時間を掛けても一撃を与えることが出来たとは思えない。


「そうだったとしても、それは僕が搦め手を使ったからですよ。だから一撃を当ててはいますけど、騎士団長を決めるような試験をクリアしたことにはなりませんよ」


「推薦状の封が開いておりませんでしたので中を読んではいないのですよね?読んでください」

学院長からアリオスさんの推薦状を返してもらう。


中を見ると、アリオスさんと模擬戦をしたことが書いてあり、その結果を以って学院に特待生として推薦すると書いてあった。

それから、僕が騎士であれば試験をクリアしていたとも書いてある。


過剰評価である。


「過剰評価ですね。僕はまだEランクの冒険者ですよ」


「私には過剰評価なのかどうかの判断はつきません。話が少し脱線しましたが、よろしければあなたの実力を少し見させていただけませんか?」


「えっと……どうすればいいですか?」


「訓練場で魔法を使っているところを見させてください。先程搦め手を使ったと言っていたので、出来ればで構わないのでそれも見させてもらいたいです」

それくらいならいいだろう。一度ずつくらいならリキャストタイムのことや威力の調整がまだ出来ないこともバレないだろう。


「わかりました。ただ、先ほども言いましたけど、僕はEランク冒険者でアリオスさんは過剰評価しているみたいなので、あまり期待しすぎないで下さいね」


「それはもちろんです。では訓練場にお願いします」


僕は学院長の頼みを聞いて実力を見せることになった。


正直、アリオスさんに一撃与えたのはラッキーパンチのようなものなので、あまりハードルが上がった状態で見られたくないんだけどな……。

少しでも面白いと思って頂けましたらぜひ下部より★の評価をお願いします。

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