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クラス転移したひきこもり、僕だけシステムがゲームと同じなんですが・・・ログアウトしたら地球に帰れるみたいです  作者: こたろう文庫


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ニーナの選択

――[救護者]を獲得しました――


頭の中に機械音が流れる。

称号を獲得したようだ


驚いていないのには理由がある。

実は称号を新たに獲得したのはこれで2個目だからだ


僕はステータス画面を開いて称号をタップする


[救護者][偽善者][異世界人]


[救護者]をタップする


[救護者]をセットしますか? YES/NO

僕はYESを選択する


ゲームでは称号はやり込み要素で、一部のクエストが解放される以外に意味はほとんどなかった。

セットすると名前と一緒にセットした称号が表示されるだけだ。

レアな称号を付けていれば、上級者に見られるだけである。

ちなみにゲームで僕の称号は[神殺し]になっていた。


[救護者]の称号をセットしたのは気分である。意味はない。どうせセットしたところで他の人には見えないのだから。


ゲームでも[救護者]という称号はあった。

病に伏している女の子を助けるイベントをクリアすると手に入る称号だ。


そしてもう一つの称号である[偽善者]はヨツバを助けた時に獲得した。

頭の中に機械音が流れるので、当然獲得したことには気づいてはいたけど、見ないようにしていた。

薄々わかってはいたけど、認めたくなかったから。

ゲームだと悪い称号でも、コレクター感覚で喜んで集めていたけど、こうして手に入っているのを見ると複雑な気分である。


ヨツバの件は、話もしてお互いに折り合いが付いているので、今は大丈夫だけど……


僕がステータス画面を見ていると、ギルド職員から声を掛けられた。


「クオンさんだったね。盗賊を討伐する隊の救護班として参加してくれないか?治癒魔法を使える人が参加してくれると助かるんだが…」

もしかして[救護者]の称号を付けたから?実は称号には意味があるのか?


「なんで僕が治癒魔法を使えるって知ってるんですか?」

僕は尋ねる

ヨツバとニーナ、それにライオスさんしか知らないはずだけど


「いや、さっき回復魔法使えますって言ってただろ?回復魔法って治癒魔法のことじゃないのか?」

そうだった。ライオスさんに聞こえるように、結構大きな声で言ってた。


「そうでしたね。忘れてました。それで盗賊ですか?まだFランクですし、レベルも低いので足手まといになりませんか?」


「戦闘は他の冒険者に任せてもらえれば大丈夫だ。救護班は少し離れた位置に待機していてくれればいい。重傷者が出たら連れて行くので治癒魔法を掛けて欲しい」

それなら問題はないかな。正直、盗賊がどの程度の相手かわからないけど、自分がまだ弱いことは自覚している。


「討伐はいつになりますか?」


「明日の朝に出発する。急ではあるがあまり時間を掛けるわけにはいかない」


「わかりました。参加します」


「そうか、助かる。救護班のリーダーは、あそこにいる彼女になる。彼女の指示に従って動いてほしい」

職員の男性は、少し離れた所にいる女性を指差しながら言う


「わかりました」


僕はリーダーの女性に挨拶にいく

「すみません、明日の討伐で救護班に参加することになりましたクオンです。連続では使えませんが治癒魔法が使えます」


「クオンくんね。私はエアリアよ。治癒魔法が使える方が参加してくれて助かるわ。あまり魔力が多くないってことよね?」


「そうですね、魔力も多くはありませんし、体力的に魔力があっても連続では使えません」

MPは25しかないので、7消費するヒールは3回しか使えない。それとリキャストタイムの事は先に体力がないと言っておく


「わかったわ。重傷者だけお願いするから、それまでは包帯巻いたりしてもらっていいかしら?」


「わかりました」


「それじゃあ、明日よろしくね」


「はい」


僕はギルドを出る


そして、ヨツバ達が泊まっている宿屋に向かう。

明日の朝に行くって言ったけど、盗賊討伐の予定が入ってしまったので伝えなければいけない。


ヨツバ達が借りている部屋をノックする


「はい」

ニーナが出てきた


「急にどうしたの?明日来るとはヨツバちゃんから聞いてたけど……」


「もう聞いてるんだね。明日来れなくなったから、今きたんだよ。時間は大丈夫?」


「ええ、大丈夫よ。入って」

僕は部屋に入る

部屋にはヨツバもいた


「ヨツバ、急に来てごめん。ニーナには話終わってる?」


「私から説明する事は終わってるよ。明日の朝にクオンが来ると思ってたから、答えはその時までに考えておいてって言ってあったけどね…」


「そっか、ありがとう。ニーナごめん、答えを急がせるようなことになって」


「大丈夫だよ。どうするかはもう決めてあったから」


「良かった。それでニーナはどうする?」


「私は一緒には行かない。良いパーティだったとは思うけど、私はまだこの街を離れるつもりはないわ。クオンくんは世界を見て回りたいんでしょ?私はここじゃなくても、どこかに拠点を構えて冒険者をやりたいのよ。一緒に街を出たとしても、結局どこかで別れることになるわ」


「そっか。残念だけどしょうがないね」

僕のやりたい事は冒険者というよりは旅人に近い。冒険者をやりたい人とは目指すところが違うようだ。


「この街を出る日は決めてないんでしょ?もし私のわがままを聞いてくれるなら、装備が揃うまでは一緒に依頼を受けてくれないかな?」


「もちろんだよ。ヨツバもいいよね?」


「うん」


「ニーナには色々とお世話になりっぱなしだからね。恩返しってわけではないけど、協力させてもらうよ。ニーナは短剣を使ってるけど、本当は普通の長さの剣がいいんだよね?後は盾だよね。鎧もいる?」


「剣と盾だけだよ。盾は小さいやつ、籠手でもいいかな」


「わかった。いくらくらい必要か知りたいし、今度一緒に武器屋に見にいこうか」


「うん、ありがとう。そういえば、明日はどうしたの?」


「近くで盗賊が出たっていうのは知ってる?」


「知らないよ」


「捕まえる為に討伐隊が組まれたんだけど、救護班として参加して欲しいって、さっきギルドで頼まれたから行ってくるよ」


「そっか、気をつけてね」


「うん、ありがとう。依頼を一緒に受けれるのは明後日かな。今まで通りギルドの前で待ってるから」


「うん、わかったよ」


僕は部屋を出る


さて、とりあえずは明日の盗賊の事に集中しよう。


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