第9話 復活! そして・・・
諸事情につき一部修正しました。
今日で、同居から2週間が経った。1週間は8日間(光、火、水、風、土、雷、金、闇)、つまり出会ってから16日が経過した事になる。
実は、同居初日にアリアが俺に課した条件がひとつある。それは「自慰行為の禁止」だ。他者との交わりで解消できるのなら大した事ではないが、現在の俺はEDな訳で、その解消手段が使えない、というか使えるなら俺の病は完治している事になる。アリア曰く、心因性だとしても肉体からの欲求と無関係では無いので肉体の欲求値は出来るだけ高めたい、との事だった。実際食事も精がつくもの中心に用意してくれるという至れり尽くせりな環境で俺は完治に向けて頑張っている。
だがしかし!アリアの治療攻勢?はここでは終わらない。初日のお風呂同伴での『事件』以降、彼女も流石に恥ずかしかったのか、共に入ることは無くなったのだが、彼女は入浴時にそれとなく見せてくるのだ。その、裸を。もちろんあから様では無く、風呂の縁に腰かけた際に間仕切りの隙間から見えやすい位置に座ったりして、俺に覗けと言わんばかりなのだ。・・・で、俺は誘惑に勝てずチラ見してしまい、でも自慰行為が禁止なので発散できないという、ちょっとした天国のような地獄にいる訳だ。
まあ、何故か5日間くらい経つと、決まって妙にスッキリしているのが謎なのだが(粗相した形跡も無い)。すっきりする前の晩に決まって、アリアがエッチな事をしてくれる夢を見た気もするんだが。翌朝起きた時には特に変な所も無いので良く分からない。で、今日は欲求がMAXに溜まっている状態な訳でいよいよ抑えが効かなくなっている状態なのである。おまけに朝からの雨で解消する術も無い俺は、椅子に座って唯々悶々としていた。
「どうしましたか、レオさん? 今日は生憎の雨ですから狩り等はお休みでしょうが、家の中でも案外娯楽はあるものです。ですから元気だしてくださいね!」
アリアが雨天を弾き飛ばさんばかりに花の様な笑みを向けてくる。椅子に座っている俺に目線を合わせる様に前屈みになって。・・・おおぃ。見えてるよぉ。乳が!なんなら先端の奴まで!!
くおおおおぉ!辛い!どんどん欲求不満が募ってしまう。なんでノーブラなの!?絶対狙ってやってるよね!?
「フフフっ。もちろん狙ってますよ?言ったじゃないですか。お姉さんの魅了から貴方を奪うって。」
「そ、そうだったな、ハハハ。」
そうすると、いよいよED解消の瞬間に君を頂く事になりそうなんだけど、ホントにいいの?マジで今日は我慢できなそうなんだけど。もう俺の頭の中は、アリアとヤリたい!、抱き締めたい!キスしたい!とかの欲望がグルグル渦巻いているだけど。ちょっと刺激されたら爆発しそうだ。もうぼんやりと彼女を見つめるだけで限界だった。
「・・・本当のどうしたのですか?」
小首を傾げながら俺を見つめてくる瞳、柔らかそうな桃色の唇、もう俺には彼女が誘ってくれてる様にしか思えなくなってきていた。・・・それでも、彼女の合意無しは駄目だ!せめて聞かなくては。
「・・・したい」
「え?」
「君と・・・キスしたい」
「!!・・・・・・・いいですよ。キス、しましょうか。」
アリアが大胆にも椅子に腰かけていた俺の腰の上に跨って来る。さらに俺の首に両手を絡ませてきた。
そして、頬を赤くしながらも柔らかく微笑んで、「リード・・・してくださいね。」と言ってきた。
「――!!!」
俺は、夢中で彼女の唇を貪った。少しづつ舌を入れていき、段々と激しく口付けを交わす。勢いづいた俺はそのままアリアを押し倒していた。
それから俺達はタガが外れた様に何度も交わった。
それでも疲労はするし、腹も減ったので、数時間にも及んだ俺達の激しい交わりも一旦終わり、同じベッドの中で共に寛いでいた。
「ありがとう。本当にありがとう。・・・君のおかげで完全復活だ。」
「フフフッ。本当に良かったです。私にとっても。・・・私も貴方に抱いて欲しくて・・・ずっと我慢してたんですから。」
「え!?」
「何を驚いてるんですか?・・・私も女の子です。いくらお姉さんの愛に感動したからって興味も無い方にあんな、・・・大胆な事しませんよ?・・・だから、えっと、割と最初から・・・貴方の事を・・」
そ、そうだったのか!?・・・そうだよな。好きでも無い奴にあんだけのアプローチしないよな。と、いう事は、彼女は俺の事を、好き、だって事で、なんていうか、一生分の幸せが一気に来たような気分になっちまう。
「そっか。そっか、そっか。・・・俺の気持ちは元から丸分かりだろうけど・・・俺は君が好きだよ。俺と一緒になって欲しい、そう思ってる。」
「!、私だって、貴方の事が大好きです!だから、ずっと、一緒にいたい・・です。だけど、私は、」
俺に好意を伝えながらもずっと一緒にいたいと伝える事を躊躇している。・・・理由は分かっている。彼女は何れ、魔族との戦いの最前線に赴くつもりなんだろう。まして『聖女』の職業が返上できていない状態なら猶更そう考える筈だ。で、今の俺じゃあとてもじゃ無いが最前線は無理だ。
だから、それでも俺が彼女と共に有りたいと願うなら、俺の切れるカードは一枚しかない。
「君がいずれ最前線の戦場に戻ろうと思っているのは分かっている。だったら、俺も一緒に行けるだけの力を手にすれば問題無い筈だ。そうだろう?」
「それは!・・そんな事が可能であれば私だって嬉しいです。ですけど、どうやって?・・・ッ!」
「ああ。俺は決めたよ。人を捨てる事を。」
俺は決めた。彼女を共に歩むために、彼女を守り抜く為に、ずっと恐れていた自らの固有スキルを解放する事を。




