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第7話 罰は下してますよ。

一部修正しました。

 アリアとの同居生活を始めて1週間が経った。

 ちなみにこの世界での暦だが、1日は24時間(1の刻~24の刻)、1週間は8日間(光、火、水、風、土、雷、金、闇)、1月は4週間、1年は12の月なので、384日となっている。

 

 もちろん最初から順調とはいかず、始めの数日間は夜中にアリアが酷くうなされる事が多かった。

 彼女に起きた事を考えれば、容易に想像できる事だ。そんな直ぐに克服できる訳が無い。


「いやっ!やめて、やめてぇーーー!!!!」 「やだ!、いやだ!!」


 そんな痛ましいうなされ声を聞く度に、俺はどうにかしてやりたくて、でも何が出来るかも分からず、唯、彼女の手を握ってやった。・・・俺が小さい頃、怖い夢を見て寝付けずにいた時に姉さんがそうしてくれたのを思い出して、少しでも彼女の悪夢が晴れる様に祈りながら。

 暫くそうしていると、不思議と彼女はうなされる事無く眠りに付いてくれる様になるのだが、手を離すと再発するので、手を繋いだまま彼女のベッドの脇で俺も眠る事にした。苦しんでいる彼女を見る度に、俺の中でまだ見ぬ勇者達への怒りが募っていくのを感じた。


 幸い深夜にうなされる症状は三日程で収まってくれた。なのだが、自分がうなされる度に俺が手を握ってやっていた事が気に入ったのか、症状が回復した後も眠りに付くまで手を握っている様にお願いされてしまった。うなされてる際にはこっちも必死だったので気にならなかったのだが、いざ冷静になると結構恥ずかしい。彼女の寝間着がこれまた狙ったかの様に透けるような薄手のネグリジェだけと、俺の性欲にガツガツ攻め込んでくるのだ。そんな訳で勇者達への怒りとは別に、性欲的な熱情も沸々と募っていくのだった。


「おはようございます。お陰様で昨夜も快眠できました。」


「おう、おはよう。それは何よりだ。」


「ここ数日間は本当にご迷惑お掛けしました。・・・日中は気にしない様に努めていたのですが、まだまだ弱いですね、私の心は。・・・でも、最近は本当に悪夢も見なくなりました。その、手を繋いで頂いてありがとうございます。どうしてか貴方に手を握ってもらえるとすごく安心できるんです。」


 そう言って少し恥ずかしそうに頬を染めながら微笑むアリア。そんな彼女を見つめる俺もなんだか顔が熱くなってしまい、お互い見つめ合ったままになってしまった。




「えっと、それじゃ朝食の準備をしますね。レオさんはゆっくりしていてくださいね。」


 コホンッと軽く咳払いをしながらアリアが台所に向かっていき、朝食の支度をし始めた。


 俺はそんな彼女の後ろ姿を眺めながら、なんだか自分達が新婚の夫婦になったかのような気分になる。凄く幸せを感じてしまう。それも仕方無いだろう。正しく絶世の美女である彼女が毎食美味しい食事を作ってくれるし、いつも俺を柔らかい微笑みを浮かべて見つめてくれる。まだ出会って一週間だが俺は彼女に夢中になっている自覚があるし、ずっと俺と共に暮らして欲しいとすら考えている。


 この一週間で俺の生活環境も主にアリア主導で色々変化があった。

 まず、自宅の脇にちょっとした畑ができた。彼女の趣味は家庭菜園だそうで、魔導術で近くの樹木を一瞬で排除して土地を馴らした上に、排除した樹木をこれまた聞いた事も無い魔導術で腐葉土にしてしまい、肥料替わりにしながら、開墾術式という彼女のオリジナル魔導術で耕した。

 それから、常備しているという各種の野菜の種を、これは二人がかりで植えたら、今度は発芽術式とかいうこれまたオリジナルの魔導術であっという間にある程度まで育ててしまった。しばらく待てはたくさんの野菜も収穫できそうだ。


 彼女の活躍は畑に留まらず、近くの河原を案内すれば、即座にスカートをたくし上げて川に入って魚を取る事に精を出していた。たくし上げられたスカートから覗く太股が健康的にして艶めかしいかったのだが、彼女が「キャッ、すっごい太いわ、これ!それにヌルヌルね!」なんて嬌声を上げながらウナギという一見蛇のように見える奇妙な魚を手掴みで捕って来た時には、正直魚よりも彼女の声のほうに大いに反応してしまった。 あんな可愛い声で「太い」とか「ヌルヌル」とか言われちゃうと意識しちゃうよね?

 このウナギなるものは彼女曰く、滋養、強壮に良いらしく精力増強効果まであるとか。あんな見た目の悪いやつにそんな効能があったとは。ちなみに俺は居るのは知っていたがなんか気味が悪いので捕ったことも食べた事も無かったのだが、夕飯に「蒲焼き」なる料理で出されたものを食べた時には、その美味さに感動したものだ。


他にも、山菜やら野草の類の知識も豊富で、見た目の手弱女然とした雰囲気と裏腹に非常に逞しいというかサバイバル力が高い女性だった。・・・何度も思うがこんな優れた彼女を手放す事になった勇者達はマジで馬鹿だよな。


 と、言った感じでこの一週間は、主にアリアのハイスペックぶりに驚かされつつも、非常に充実した、楽しい時間を過ごす事ができた。だが、同時にこんな素敵な彼女を酷く傷つけた勇者達に対する怒りの念が抑えられなくなっていた。




「なあ、アリア。・・・君は自分を傷つけた勇者達をどう思ってるんだ?・・・俺は、君のような素敵な人を傷つけた奴らを、許せない。・・・正直殺してやりたいくらいに思っている。」


 朝食後、互いにお茶を飲みながら寛いでいる時に、とうとう俺は切り出した。彼女の傷の深さを想えば聞くべきではないのだろうが、どうしても気になってしまったのだ。

 それまで俺を見ながらニコニコしていたアリアの表情が一変して、能面のような無表情で俺を静かに見詰めてくる。急に嫌な話題を振った俺に怒っているのか?でも、俺も、アリアを傷つけた奴らがのうのうと生きてるのが我慢できない。なんらかの報復をすべきだという意志を込めて彼女を見つめ返した。


 暫く互いの視線をぶつけていたが、アリアがフッと表情を緩めて僅かに微笑みを浮かべながら話し出した。


「私の事を慮ってくれる貴方の言葉は素直に嬉しく思います。・・・ですが、・・・魔族討伐の特級戦力たる彼らを殺す事だけは容認できませんし、私にその意思はありません。」


「何故だ!?君を苦しめた奴らを許すのか?なんの罰も与えずに!?」


 俺の言葉に、今度は何処か影のある笑みを浮かべながら答える。心なしか眼差しまで影が射したかの様に思えた。




「罰なら既に下していますよ。私自ら・・・ね。」


「・・・どういう事だ?」




「レオさんは、()()というものをご存じですか?」


「ん?・・・いや知らないな。」


「呪術とは、簡単に言うと、代償と引き換えに回避不可の『呪い』を与える特殊な術式です。

 で、私は自身の身体にある呪術式を刻んでいます。内容は『この身に対し合意なく淫行に及んだ人族の男性機能の完全消失。加えて人族以外の場合は感染する死を与える』というものです。」


 アリアが語った呪術の効果を思い浮かべて思わず両手で股間を庇ってしまった。なにそれ?超怖いんですけど!!


「フフフッ。何もレオさんが怖がる必要ないでしょう?そもそも呪術は非常に強力な反面、繊細なので、基本的に内容を知られた相手には通じないんです。・・・ですから、レオさんは安心して私を押し倒してくれて大丈夫ですよ?」


 あ、そうなんだ。え?、でも俺に教えちゃって良かったのか?今こそEDで無力化されてるが、復活すれば俺も立派な『狼』になっちゃうぜ?・・・それ込みでOK頂いたって事で良いのだろうか?

 いやいや、それより、彼女の話だと、糞勇者は既に男として死んだというのならまだ良いとして薬を盛った女剣聖についてはどうなのだろう?


「もちろん、彼女にも罰は下りましたよ。彼女は勇者の事を本当に愛しておりましたし、暇を見つけては情事に励んでしましたから。勇者が不能となった以上、今後は満足に交わる事も出来ませんし。


 更に言えば、彼らの暴挙が原因で勇者パーティは、私という最高位の回復術士を失いました。最前線でも魔族との戦闘に回復術士の存在は不可欠です。そんな状況なのに、下らない我欲が元で聖女を失い、回復術士斡旋の元締めたる聖王国は、勇者の管理国であるブレイブヤード王国を告発している筈です。勇者達に十分な罰則を与えなければ、今後回復術士の斡旋を拒否すると脅しをつけて。


 そうなれば困るのは王国ですので、勇者、剣聖共に相応の罰を下す事で聖王国に対する()()を見せる事になるでしょう。特級戦力たる彼らを殺す事は無いでしょうが、逆に言えばそれ以外なら何でも有りですし。


 と、いうことで彼らに対する報復は済という事です。ですから、レオさん、どうかお怒りを収めて頂けませんか?私としては、彼らがレオさんの心を煩わせている事のほうが心苦しく感じますので。」


 やっぱり凄く強い子だよな。あんな酷い目に遭った直後にここまでの段取りをつけられるなんて。まあ、これを段どる為に精神制御マインドセットまで使ったんだろうけど。・・・これなら確かに俺がどうこうするまでも無いのか。本人も報復は済だと断言している以上、俺も怒りは収めないとな。これからの彼女との生活をより楽しむためにも。





「ところで、レオさん? 私からも質問があるのですが・・・。

 レオさん、固有ユニークスキル持ちですよね、それもお姉さんと同タイプの。できれば詳細を教えて頂けませんか?」


 

  真剣な表情でアリアが俺の()()()について尋ねてきた。

 

 









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