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第39話 地下神殿攻略⑥

 俺はミリアナと夜を共にした後、最下層を目指して探索を続けていた。・・・それにしても・・昨日のミリアナは実に良かった。これまでは、流れで床を共にしていた感じだったが、昨夜はミリアナの意志というか想いを感じる事が出来たからかもしれない。気持ちが籠ると同じ事をしても感じ方が全く異なるんだなと思った。


なんとなく格好つけた言い方をしてみたが、要するに昨夜のミリアナが最高に良かったという事だな。・・・正直な所、ミリアナに惹かれ始めてる自覚がある。出会う前はアリアを傷つけた『敵』って認識だったし、気持ちを拗らせた彼女と戦ったりもしたんだが。少なくとも今の俺は、ミリアナが他の男と交わるのを容認できそうも無いのは確かだ。・・・・・・・・・・困った、アリアにどう話そうかな。


「どうしたの、レオ?」


 今日のミリアナは少し吹っ切れたのか良い笑顔をしてくれる。そんな彼女が、ぼんやり考え事をしていた俺に声を掛けて来た。


「いや、昨晩のミリアナは凄くよかったなぁって考えてただけだ。」


「え!? バ、バカ!何言ってんのよ!」


 俺の軽口に顔を赤くして抗議してくる。そんな表情もすごく可愛らしく感じてしまう。だが、そろそろ真面目にならないとな。此処が何層なのかも分からないし、きっと俺達を心配しているアリア達と早く合流しないといけないしな。


「ハハッ、悪い悪い。・・・しっかしここは何層なんだろうな。なあ、ミリアナ。ラースの索敵でこの階層の全体像とかって分かるのか?」


「う~ん。他の階層迄は厳しいけど、今の階層なら少し時間を貰えれば大体は分かると思うよ。」


「へぇ、大したもんだ。俺は索敵はともかく地形の探査とかはからっきしだしな。助かるよ。」


 しばらくミリアナに周囲を探査してもらった結果、この層の階層主はこの通路の最奥にいるらしい。

しかしこの神殿の構造はどうなっているのだろう。明らかに外の見た目と中の広さが合っていない。まあ、BOX同様に亜空間的なもので構成されてるんだろうが。まあ、迷宮も似たような所があるからな。ちなみにこの階層は基本的には白いレンガ調のブロックで構成されたひたすら広く長い回廊である。途中に休憩用なのか幾つかの小部屋も有ったが、基本的には一直線の回廊が占めている。ただ、転移で飛ばされた場所とは違い、この辺りの守護機獣たちは大群をなす事は無く討伐は順調である。唯々端の見えない回廊に飽き飽きする事を除けばだが。


「この先に階層主ねぇ。まだ先が見通せないけどね。」


「まあ、しょうがないよ。このまま進めばそのうち辿り着くんだし、焦らず急ぎましょ!」


 げんなりしている俺に対し、今日のミリアナは非常にポジティブだ。アリア達の様子は気になるが、向こうの方が戦力は充実してるんだし、先ずは自分達の身を守りながら最下層を目指すしかないだろう。


 それからも俺達は時折出て来る機獣達を切り裂きながら階層主の居場所目指して進んでいった。




 その日の内には最奥には至らず、途中にまたしても現れた休憩所のような小部屋を発見したので、今日は此処で一休みする事にした。幸いBOX内には各自がある程度長期の探索を念頭において食料などを多めに詰め込んで来ていたので食べるのに困る事は無い。今も取り出した食材をミリアナが調理してくれている。その姿をぼんやりと眺めながら俺は考えていた。


 そもそもこの神殿は、誰が何のために造ったんだろうか?それに本当に『神の計画』なんてものが此処に保管されてるのも同様の疑問がある。まあ、現状何の手掛かりも無い以上は目指すしかないのだが。

 それに魔人化スキルだ。何故女神が人に授けるはずの固有スキルにこんなものがあるのか?それに魔人化スキルを使ったら誰もが姉さんの様に翼が生えたり異形になるならともかく、髪や眼の色が変わるくらいで見た目も人族そのまま、なのに戦闘能力は飛躍的上がる、ローリスクハイリターンとも言えるスキルだが、何のために存在するのかがいまいち分からない。・・・誰か教えてくれないかな?


 それと、ミリアナの事だ。どうも俺はミリアナに惹かれ始めている。だが、アリアへの気持ちが薄れたなんてことは無く、アリアへの想いにプラスされた感じだ。これはどうすればいいのだろうか?ただ、このままの関係をズルズル引き摺るのは二人に対し申し訳ない気がする。アリアに相談したところだが、内容的に気が引けるが・・・、やはりアリアに正直に話すしかないよなぁ。まあ、これは少し保留だな。


「どうしたの、レオ? 食事出来たから早く食べよ?」

 

 ミリアナが声を掛けてくれたので一緒に食事を頂く事にする。まあ、先ずは最下層を目指す事に専心しよう。余計な事ばかり考えてるとホントに死にかねないしな。





 翌朝からも、昨日同様に探索を続けていき、ようやく階層主のいる場所に辿り付く事が出来た。階層主に挑む前に一度休憩をしてから臨むことにした俺達は、休憩がてらどうやって戦うかを検討している。と、いってもこちらの戦力は近接職二人だけと、バランスの悪いパーティなので、取れる戦術など大して無いのだが。


「レオ。この階層主なんだけど、一旦あたしに任せてもらえないかな?・・・試したことがあるの。」


「試したい事?」


「そう。・・・この右眼の『力』をね。」


 そういってミリアナが自らの紅眼を指さした。・・・確か『羅刹眼』とかいう物騒な魔眼になったんだっけ。効果は、敵の弱点とかを見抜くって破格の能力だったよな。


「感覚的な話だけど、これまでは魔力が足りなくて上手く使えない感じだったんだけど、此処にきてあたしも『位階』が上がったの。・・・だから、今なら使えそうなんだよね。」


「まあ、試すのはいいと思うけど、何も一人で挑む必要ないだろ? 第一危ないだろ?」


「それをレオが言うの? 『門番』に一人で挑んだくせに!」


 あれは・・・早く位階を上げたかったら、無茶をしただけで、好き好んでやった訳じゃないんだけど。


「あたしももっと強くなって、レオとアリアの役に立てる様になりたいの! だからこういう機会は逃したくないのよ。暫く様子を見て不味そうなら加勢してくれればいいから、ね、いいでしょ?」


 俺とアリアの為に、か。今時点で十分頼りになっているんだけど、確かに今後はどうなるか分からないし、チャンスは逃さないってのは分かる。・・・まあ、ヤバそうなら直ぐ加勢するって事で、結局俺はミリアナの要望を飲む事にした。


「ありがと!レオ。」


 頼まれた内容は物騒極まりないのに、無邪気な笑顔を向けてくるミリアナにちょっとドキッとしてしまう。アリアとはタイプが違うけど、こいつもいい女なんだよなぁ。ホント、どうしたものか。。

 そんな俺の内心など知らんとばかりに、ミリアナは堂々とした足取りで、階層主の元に向かっていった。さて、どうなるやら。


 この階の階層主は割とスタンダードな人型 機獣ゴーレムだ。身長は3m程で、長剣を携えた騎士のような格好をしている。如何にも近接特化型の印象である。同じく近接型のミリアナとの相性は悪く無さそうだ。ミリアナの接近を認めた『騎士』が徐に長剣を構えて・・・その場から消え失せた!


 次の瞬間には『騎士』はミリアナの眼前で長剣を唐竹割に振り下ろしていた。だが、ミリアナは見切っていたのか、なんなく回避すると軽い動作で魔剣『グラム』を振るった。途端、『騎士』の両腕があっけなく両断される。・・・どういうことだ? 見るからに硬そうな装備を付けてるのに、なんでそんなにあっさり斬れるんだ? 俺が疑問を抱いている間に、ミリアナがこれまた軽い仕草で魔剣を『騎士』の胸に突き入れた。・・・・・・それで、終わりだった。


「ふぅ、なんか・・・あっけなかったね。これが『羅刹眼』の力かぁ・・。なんていうか超使えるね、これ!」


 階層主を圧倒したミリアナは新たな『力』にご機嫌な様子だ。


「・・・・・一体どうなってんだ? もう倒したのか?実際に見てても何が起こったのか分からないんだが?」


「あ~~、そうだね。なんていうか、右眼の視界に映るんだよ、敵の斬撃の軌道とか、弱い所が。で、あたしがさっきやったのは、その軌道から身体を避けながら、弱い所に向けて剣を振るっただけ。この『羅刹眼』、ホントに凄い!・・・・・けど、魔力消費も凄いみたい。ちょっとしか使わなかったのに、魔力が半分以上無くなっちゃったよ。」


 ・・・・・スゲェな、マジで。攻撃の軌道が先読みできて、更に弱点丸見えとか、反則じゃね?魔導術とかがどう映るのかにもよるが、この力を使い熟せれば向かう所敵無しなのでは? でも、魔力消費がデカいのは魔力量が多くない(近接職は大概少ない)ミリアナには厳しい所かもしれない。


「まあ、これでミリアナの戦闘力が一段と上がったのが分かったな。昨日から俺、ほとんど何もしてないから個人的には微妙な感じだけど・・・。」


「アハハッ、じゃあ、次の階層はレオに頑張ってもらおうかな? なにせどうやったら皆と合流できるかも分からないし、お互い無茶はしない方向でね!」


「おう、任せとけ!」



 実際、此処が『神殿』のどの階層なのかも分からないけど、そもそも一本道だから前に進むしかない。

 故に、悩む必要も無いという事で、俺達は次の階層に向けて歩を進める事にした。







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