第30話 ミドランド聖王国へ
少し加筆しました(リリーナさんのステータス)
あの後、アリア達にもミドランド聖王国へ向かう事を相談したが、アリアとしては、ミリアナが良いというのであれば問題無いとの事だったので、先ずは聖王国に行こうという事で話が纏まった。又、リラさんについても、長年自分を補佐してくれているサブギルドマスターを自分の後任に据える事で正式に俺のパーティメンバーになってくれた。後任の方には少々申し訳ない気もするが、俺が口を出す事じゃないので黙っていた。
それと、ロイの奴と受付嬢のレミリアがやっと籍を入れたそうだ。まあ、レミリアが懐妊したのが決め手だったのだろう。レミリアはしばらく前から避妊術式を解除していたらしく、まあ、レミリアの作戦勝ちな面はあるが、さっさと決めないロイが悪いだろう。アイツは恋愛がらみになると及び腰になるからな。まあ、ロイからプロポーズされてレミリアも泣いて喜んでたし、ロイも子供が出来たのを喜んでたしめでたしめでたしだ。
あと、ロイ達は魔王戦の後、治療院に運ばれたんだが、当然アリアの回復術式で怪我は完治してたものの、且つ副作用で別の意味で大変な事になってた所に見舞いにレミリアが来たことで、辛抱溜まらず治療院のベッドの上でおっ始めてしまい、しかも防音結界も張ってなかった為、後で厳重注意されたらしい。又、同パーティの盾士ベンと魔導士サリアも同様に治療院内で励んだのだが、こちらはサリアが結界を張ったのでバレずに済んだとの事。尚、神官のコレットだけは性欲では無く食欲が解放されたそうで(元々魔導士や回復術士などの術士は魔力消費の関係で大食いが多い)、10人前以上の食事を平らげて別の意味で騒ぎになったとか。・・・ホント、あの『ダーク』系の回復術の副作用は謎である。
ロイとレミリアの結婚式は流石に準備とか色々ある為、数か月後を予定しているとの事で、俺にも式に参加して欲しいと言われたので勿論快諾した(アリアに頼めばすぐ戻って来れるし)。
で、いよいよ俺達は明日、聖王国に向かう事にしたのだが、その前に、リリーナさんの魔人化を行う事にした。まあ、大公令嬢を魔人化しちゃっていいのかというのはあるが、約束した事だしな。
そういう訳で、無事魔人化したリリーナさんのステータスはこんな感じになった。
氏名:リリーナ=メルフィス
年齢:20歳
種族:魔人族
魂の位階:Lv.7
職業:聖魔勇者(攻撃、魔導、防御、魔防、敏捷、集中が極大上昇、全武器使用時に威力補正大)
所属/ランク:討伐者ギルド/S
【汎用スキル】
・剣術…剣系のスキルを強化。剣士の職業が選択可能。
・体術…徒手空拳系のスキルを強化。武闘家の職業を選択可能。
・魔導術(火、風、水、光、闇、特殊)…括弧内の属性魔導術の強化。
5属性の術を習得する事で『大魔導士』の職業が選択可能
・身体強化法…魂魄力を用いた身体強化が可能となる。魔導術による強化と併用可。
・裁縫…裁縫が得意となる。裁縫士の職業を選択可。
【固有スキル】
・勇猛賛歌…このスキルを持つ者をパーティリーダーにした際に、メンバー全員を強化する。
・聖魔雷…聖属性若しくは魔属性の雷を生み出せる。
・聖雷纏速…聖なる雷を纏う事で身体能力(特に敏捷)を大幅に強化。
・迷宮間転位…任意の迷宮へ転位可能。但し、迷宮内でのみ使用可能。
・魔雷剛力…攻撃力、魔導力を大幅強化。
・召喚:聖魔剣…聖魔剣を召喚可能(召喚可能:デュランダル)
・魔人連鎖(1)…真なる友を魔人化できる。 発動条件は自らの体液を摂取させる事。
流石に元勇者(勇者の職業は正式には『聖勇者』と呼ばれている)だけにステータスもなかなか凄いものがある。アリア同様、光と闇の両属性を使えるようになってるし、固有スキルも充実している。唯、他の人とは違い、未解放スキルは無いようだ。何かのきっかけで新しく生えるかもしれないが、元々のスキル自体が強力なので増えなくても問題無さそうだけど。しかし、勇者の職業による強化は凄い。全能力
が強化されるし、全武器に強化が及ぶとか反則では無いだろうか?
まあ、魔人化の後はご多分に漏れず発情状態に陥ってしまった為、その晩はまたしても俺が美味しい思いをする事になってしまったのだった。やっぱり一見クール系なリリーナさんが、快楽に悶えながら切ない喘ぎ声を上げる様は、俺を強く刺激する訳で大分頑張ってしまった。
どう考えても俺の魔人化スキルってハーレム作りの為にあるように思えるのだが、どうしたものか。
尚、今回も俺は新スキルを得る事が出来たのだが、その紹介は後日紹介しよう。
それよりも俺の課題は、魂魄力増強と考えている。先日の魔王戦で『アモン』に加えて『限界機動』の使用で危うく死にかけたので、魂の位階を上げて魂魄力の量を増加させる必要があるだろう。位階を上げるには死線を超える経験が一番らしいのだが、どうしたものか。なまじ強くなってしまったので、早々そんな目に遭うのか怪しい気がする。
あと、リリーナさんについてだが、外見の変化はなんと肌の色だった。白雪の如く白い肌が綺麗な小麦色の肌になってしまった。綺麗なのはいいのだが、どうして一番目立つ変化を引いてしまうのか。どうやって誤魔化すんだろう? 本人は「イメージチェンジで日焼けした」とか言えば良いだろうと言っていたが大丈夫なんだろうか?・・・まあ、ビジュアル的には元々クール系だったのに加え妖艶さというかちょっとエッチな感じが増したので、俺的には有りだとうっかり本人に行ってしまい、「では、早速入籍を!」とがっつかれてしまった。なんどもヤっといて申し訳ないがもう少し待って欲しい。なにせ相手は大公令嬢だからね。最低でもご両親に許可を頂かないと大変な事になりそうだし。
そんなこんなでファイーアの街で数日準備をして、一通りやる事を終えた俺達はミドランド聖王国に赴く事になった。ちなみにアリアの超長距離転移門を使う事で、聖王国首都のミッドランドの郊外までは一気にいけるらしい。首都全域には護国結界が張られているので、街はずれにしか転位は出来ないらしいが、それでも大助かりである。歩いていくんじゃ何年も掛かりそうなほどの距離があるし。
「では、皆さん。いきましょうか。」
アリアがそう声掛けしてから超長距離転移門の術式を発動させた。ちなみにこの術式、普通は高位の魔導士が数人掛かりで使うらしいが、聖女や賢者クラスになると単独で行使できるらしい。しかも魔人化の影響で内包魔力量が大幅に増加したアリアは結構余裕で発動できるとの事。まあ、この術式、基本は過去に訪れた場所にしか転位出来ないらしいので、初めて行く場所には使えないというデメリットもあるらしい。聖王国行きには活用できるが森人族が治める『エルフィリア』行きには使えないので、その辺は後日相談かな。エルフィリアの近くにアリアが行った事があれば早いのだがしょうがない。
アリアの超長距離転移門にて、俺達は聖王国が首都ミッドランド郊外に到着した。これから首都に入る為の入門手続きを行う必要があるのだが、そこはアリアの故郷、事前にアポを取っておいたらしく、アリアの顔パスですんなり街に入れてしまった。・・・いいのかな? いいんだろう、きっと。
首都ミッドランドのデカさや荘厳さに感動する暇も無く、いきなり転位で聖教会総本部の前に俺達は来ていた。と、いうのも聖王国内においてアリアは超の付く人気者であり、有名人でもあるので、街をうろついて見つかったりすると大騒ぎになる為、先に教会本部に行ってしまおうという事になったのだ。
「済みません。大聖母様に面会させて欲しいのですが。・・アリアレーゼが戻ったとお伝えできますか?」
「!!ッ ほ、本当にアリアレーゼ様!? 髪の色は違うが、確かに・・・。ハッ!申し訳ありません!すぐに取り次ぎます!」
「はい。よろしくお願いしますね。」
二人いた門兵の内の男性の方が、慌てたように駆け出していった。残るもう一人の門兵の女性がまじまじとアリアの顔を見ている。・・・まあ、一月以上前に出奔した元聖女様が急遽戻ってきたらそりゃ驚くか。て、いうかアリアはこれまで連絡とかしてなかったのだろうか?
「もちろん、時折連絡は入れていましたよ? 国を出た時の状況が状況でしたので、皆さんを大いに不安にさせてしまいましたし。少なくとも大聖母様は私の近況について全て御存じの筈です。・・・その、レオさんと結婚した事も含め。」
マジか!!!・・・大丈夫だろうか?大事な聖女様に手を出したとかで変に恨みを買う事は無いのだろうか?
「そんな不安は無用です。きっと私の幸せを皆祝福してくれますよ。」
と、アリアは自信たっぷりに答える。教会の皆への信頼の厚さは感じるな。・・・その分、ミリアナに対する反感の大きさが心配になってしまうが。
「あたしなら大丈夫だよ。責められて当然の事をしたんだから、責められるべきなんだ。それに・・・アリアはこんなあたしに、また友達になろうって言ってくれたから。・・・だから大丈夫。」
顔を俯けながらもミリアナはしっかりした口調でそう答えた。・・・本人の覚悟が完了しているなら、俺から言える事は無い。まあ、あまり酷い事する様なら止めに入るつもりだが。
暫くして、門番の男性が神官らしき人を連れて戻ってきた。30台くらいのナイスミドルな雰囲気の人だ。
「お待たせしました。大聖母様より、執務室までお越しください、との事ですので、このリシャールが御案内させて致します。」
「よろしくお願いします。・・・お久しぶりですね、リシャールさん。ご心配お掛けしました。」
「ハイ!ご無事でなによりです。 さあ、参りましょう。大聖母様がお待ちです。」
こうして俺達は大聖母様の執務室まで案内して貰えることになった。このリシャールさんは真相を知らされていないのか、ミリアナに対して特に思う所は無さそうだ。事が事だしあまり公にはしてないのかもしれない。アリアの名誉的な問題もあるし、一部の関係者以外には秘匿しているのかもしれないな。
と、思っていたのだが、しばらく後で俺は認識の甘さを思い知る事になった。
バシィィィン!!!!!!!!
執務室に入るなり、いきなりミリアナが誰かに頬を叩かれたのだった。




