第28話 リラとアリアの××
「そうねぇ。じゃあ、今晩私を抱いてくれないかしら?」
ちょっと待ってくれ。何を言ってるんだリラさんは。・・・まあ、俺の筆おろしをしたのは、この人だったりするのだが(男娼紛いの事をしてた頃)、今持ち出す必要なくない!?
ズガアァァァァァン!!!!!!!
リラさんの発言の直後、いきなり大音響が響きわたり、テーブルが粉砕された。・・・やったのはアリアだった。
「・・・・何を言っているのですか? ふざけてるのですか? いい加減にしてください!!!! 私は、レオさんと昨日籍を入れたばかりなんです!!!! ピッチピチの新婚さんなんです!!! それなのに、昨晩はリリーナ様と! リリーナ様の件は私にも原因がありますから応じましたけど! 貴方にまで譲るつもりは無いです!!!!!!!」
アリアが目に涙を溜めながら絶叫した。こんなアリアは初めて見た。・・・そりゃ怒るよな。俺ですらどうかと思うよ。大体リラさんはなんだってこんな事を?
「ごめんなさい!!!!! そこまで思い詰めてるとは思ってなくて。森人はその辺開放的なとこあるから。ホントにごめんなさいね。・・・・正確にいうと、私を魔人にして欲しいのよ。」
「「え?」」
アリアの激昂に慌てて謝罪するリラさんだが、最後にまた驚きの発言をした。・・・魔人になりたいってどういう事だ?ギルドマスターはギルドの管理者であり司令塔だ。正直、単体戦力として突出する必要は無いと思うのだが?
「貴方達の話を聞いていて、ひとつ思ったのよ。・・・魔人化すれば、この右脚も、もしかしたら再生するんじゃないかってね。・・・私にはどうしてもやらなければいけない事があったんだけど、この足だと厳しくてね。ずっと、どうにも出来ずにこの地で燻っていた訳よ。・・・だから、魔人化できれば方法は問わないわ。」
そう、リラさんの右脚は膝から下が義足になっている。これは何年も前にとある魔獣討伐の際に負ったものだと聞いた。
リラさんの願いに対して、先程まで泣きそうな顔だったのをなんとか平常時に立て直したアリアが答える。
「・・・そういう事でしたら、私が貴方を魔人にします。私のスキルには人数制限もありませんので。・・・ですが、やらなければいけない事とは?」
アリアが質問をすると、リラさんは腕を組んで眼を閉じて、なにやら考え込んでいる。答えにくい事なのだろうか?
「あぁ、答えづらい事なら別に・・」
「いえ、大丈夫よ。どう答えようか整理してただけだから。
今から、20年以上も前の話になるのだけど、私は娘と、娘の旦那さんと三人で討伐者パーティを組んでいたのよ。そんな時につまらない事で娘と喧嘩してね。娘は私を置いて討伐にいってしまったの。まあ、娘もSランク討伐者で、じきに『弓聖』になれる程の腕前だったし、たまにはいいかって軽く考えていた。討伐対象も精々Aランクの魔獣だったからね。・・・でも、予想もしない事が起こってしまった。・・・超級魔獣指定されていた『堕龍ファフニル』に遭遇してしまったの。私は娘達が向かった地区にファフニルが出現したと聞いて、必死で娘達の所に向かったけど、間に合わなかった。討伐者パーティは全滅。娘も・・・死んでいたわ。
そして、私は、娘の仇を撃つ為にファフニルを討伐したわ。・・・この右脚を犠牲にしてね。
この右脚は、別に奴にやられた訳じゃなくて、奴を殺すために『禁術』の触媒にしたの。超級クラスの堕龍は身に纏う多重結界も強力で、普通の攻撃は通らないから、『絶死』の禁術を乗せた矢で射殺した。
ファフニルを殺した後も、私は娘の亡骸の前で泣き続けていた。・・・それでもせめてちゃんと供養してやらないとって、どうにか娘達を運ばなきゃって思っていた時に、現れたのよ、魔族がね。
その魔族は、『その娘は美しいな。私の人形にしよう』って言って、私から娘の遺体を奪おうとした。私は抵抗したけど、片脚が無い状態じゃ歯が立たなくて、結局娘の遺体は奪われてしまった。
だから・・・私は娘の遺体を取り戻してちゃんと供養してやりたい。魔族の人形から解放してやりたいの。・・・・・それが、私が魔人になりたい理由よ。」
全然知らなかったリラさんの過去を聞いて言葉も無かった。森人族は長命種故かその長い生涯で一人しか子供を授かれない。一度出産すると排卵自体が止まってしまうのだとか。リラさんはその一人娘を殺されて、あげく遺体を魔族に奪われて弄ばれてるって事か。だが、その魔族の正体は分かってるのかな?
「ちなみにその後の調査で件の魔族が『魔王ベレトール』なのは分かったのよ。」
「!!ッ、魔王ベレト―ル!! 最高位の魔王じゃないですか!」
アリアが驚きの声を上げる。そんなに強い魔王なんだろうか?
「その魔王は昨日のサブノックスより強いのか?」
「はい。正直言って格が違います。サブノックスも高位の魔王ですが、ベレト―ルは大魔王にも近しいと言われる程ですから。」
「そうね。・・・だから、私もこれまで燻ってたけど、この脚さえ治るのなら、今度こそ娘を取り返すつもりよ。と、いっても一人じゃ無理だから協力者は募るけどね。」
「・・・わかりました。貴方の魔人化に協力します。・・・ただ、私の魔人化スキルは少々条件が特殊なので、別室で二人きりで説明させてください。」
と、アリアが申し出た。・・・特殊な条件?どんな条件だったかな?まあ、リラさんの件はアリアに任せるか。
「ありがとう、アリアちゃん。では、奥に私の仮眠室があるからそちらで話しましょうか。」
二人は連れだって、ギルドマスター用の仮眠室に移動していった。
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【SIDE:アリア】
現在、私とリラさんは仮眠室で二人きりになっています。まあ、私がお願いしたのですけど。と、いうのも私の持つ魔人化スキルが少々特殊なので、一度きちんと説明が必要と思ったのです。でも、その詳細があまり大勢の前では言いにくい内容だったりするのです。
「では、私の持つ魔人化スキルについて説明します。レオさんのスキルとの違いなのですが、私のは正確には『眷属魔人化』と言います。発動条件は・・・私の体液を摂取させる事なんですが、実は、何を摂取させるかで、魔人としての格が変わるようです。普通に眷属とするなら血液などで良いようなのですが、より、強力な魔人化を望むのであれば、違うものを摂取させる必要があるようなのです。」
「へぇ~。何を摂取するか魔人としての強さが変わると。・・・で、何を摂取すれば一番強力な魔人に成れるのかしら。どうせなら出来るだけ強くなりたいしね。」
まあ、そりゃそうですよね。目的が目的ですから。・・・はぁ、言いたくないです。・・・恥ずかしい。
「・・・・です。」
「え?良く聞こえないわ?」
「ですから、女の蜜です! それが一番、格上の魔人になるのに有効なんです!」
「・・・・・・・・」
言ってしまった。・・・・レオさんのといい、何故魔人化スキルってこんなにエッチなんでしょうか?あんなものを飲ませるとか!・・・もう、血液で勘弁してもらいましょうか。
「なるほどね。・・・じゃあ、丁度そこにベッドもあるし、私と一戦しましょうか?」
「ハァ!!? な、何をいってるのですか!? わ、私はそう言った性癖は――――!!」
リラさんがとんでもない事を言い出したので、慌てて拒否しようとしたら、
「!!ッ」
突然、リラさんが私にキスをしてきた。しかもディープな奴を。いきなりで慌ててしまったが、なんというか、凄く上手だ、この人。・・・キスだけなのに私は秘所が熱くなるのを感じていた。
「ん!? い、いきなり何を!!?」
「何って・・・その条件なら、シちゃうのが手っ取り早いでしょ?」
いいながら、なんとも自然に私をベッドに押し倒して来た。頭が混乱していた私はロクな抵抗もできずされるがままになってしまった。あ、あれ?本当にする気なの!?
でも、女同士なら別にいいか、と思い直してしまいたくなるくらい気持ち良くなってしまいました。
「フフッ。満更で無いみたいね。それに凄く感度がいいから私も楽しくなってきたわ。・・・じゃあ、いただきます。」
「えぇ~!? ま、待って!ちょっと待ってください!」
「駄目、待たない。」
リラさんが私のお願いを聞く事は無く、私は服を脱がされてそのまま・・・・・・。
どのくらい時間が経ったのでしょう。リラさんに好きなようにされた私は何度も達してしまい、現在は恥ずかしさのあまりシーツを頭まで被って身悶えしています。レオさん以外にこんな乱れた自分を見られた事で顔から火が出そうです。・・・だからあの条件を言うのは嫌だったんです。なんとなくこうなるだろうなって気がしてたから。まあ、もう済んでしまった事ですので仕方ありませんが、私が変な性癖に目覚めてしまったらどう責任を取ってくれるのでしょうか?
「う~~ん、女の子相手は久しぶりだったけど、アリアちゃんがあんまり可愛いから張り切り過ぎちゃったわ。ごめんなさいね。・・・・でも、感度抜群なアリアちゃんのおかげで貴方の蜜もゲット出来たし、これで魔人化の条件もクリアしたわね。」
などと、言われた私の羞恥心はマックスになってしまい、急いで衣服を着る事にしました。私はレオさんのものなんですから、相手が同姓でもこういうのは良くないと思うのです。・・・まあ、すごく良かったんですが。。
「~~~! そうですか。ま、まあ今回は魔人化の発動条件の事がありましたし、甘んじて受けましたが、今後はこういう事はお止めください。今回だけですからね!」
「フフフッ。本当に今回だけで良いの?」
「――!!、良いに決まっています! さあ、さっさと魔人化してしまいましょう!リラさんも服を着てください!」
この状況下に長く留まるのは色々不味いと思い、さっさと要件を済ませる為にリラさんを急かした。
「ハイハイ。じゃあ、よろしく頼むわね。」
「はい。・・・ですが、右脚が再生できるかは確約できませんが本当にいいのですね?」
「まあ、それはそれで仕方無いわね。そもそも実例が少なすぎて判断できないし。」
リラさんも服を纏ってから、私達は改めて向かいあう。私は、ここまで身体を張ったのだから、どうか上手くいって欲しいと強く願いながら、スキルを解放する。
「『眷属魔人化』!!!!!!!!」




