第27話 戦い終わってリリーナ勇み足
調子に乗った俺が新スキルを使ってぶっ倒れた後、アリアとミリアナがいろいろと動いてくれたようだ。
まず、迷宮最奥部から全員を転位門で地上まで移動したのち、ロイのパーティを治療院まで搬送しつつ、アリアが新しく開発した『魂魄力譲渡術式』なる術式で、アリアとミリアナから魂魄力を譲渡してもらい俺は無事復活できた。・・・魂魄力残量管理が今後重要だと思った。数値化できると把握しやすいのだが・・・。
で、ロイ達はというと、アリアの暗黒系の回復を受けた副作用がやはり発症したようで、ミリアナ同様の症状となってしまった。・・・つまり著しい発情状態となり、ロイはレミリアと、他のメンバー三人のうち二人は元々恋人同士だった為、そのまましっぽりと致した様だが、残る一人は、性欲では無く食欲が解放された様で(元々大食いの回復術士だったが)、軽く10人前以上の料理を平らげたらしい。
・・・『暗黒』系回復術式は通常のそれよりも回復効果が強力らしいが、人族への副作用については今後の課題だとアリアも言っていた。ちなみに俺達『魔人』には副作用は一切発生しないのも確認済である。
同じくアリアの回復術式を受けた勇者リリーナさんだが、彼女もご多分に漏れず性欲を解放されてしまった訳で、しかも自然に抑えが効く類のものでは無い事から、治療が必要になるのだ。で、その治療は・・・まあ、セックスするしかない訳で・・大分申し訳ないのだが、俺がお相手を務める事になった。一応、今日アリアと入籍したばかりで今夜は新婚初夜だし、流石にどうなのかとアリアに確認しても、「非常に忸怩たる思いですが、私にも責任があるので我慢します・・・。」と、本当に無念な様子ながら了解頂いてしまった。・・・ごめん、アリア。埋め合わせはするのでご勘弁願いたい。
と、いうわけで俺は、勇者リリーナさんをたっぷりと楽しんでいる次第だ。彼女も発情した肢体を持て余していた様で、俺が彼女が休んでいる部屋に入るなり、いきなり濃厚なキスをされた。結果、俺の獣欲も爆発してしまい、そのまま彼女を押し倒して大いに堪能してしまった。・・・仕方ないよね!?アリアともミリアナともまた違った、なんというか一見クール系の魅力を持つ彼女が、170cmを超える長身故か少し低めの声音で、切ない感じの喘ぎ声を上げられると、こちらも滾ってしまうのだ!
結局、彼女が快感のあまり失神してしまうまで愛し合ってしまった。『治療』だけなら一回で良かったのだが、流石に踏み留まれませんでした。・・・アリア、ごめん!
リリーナさんとのベッド上の対戦を終えた俺は、隣で満足したような寝顔で眠るリリーナさんを眺めていた。で、先程までの行為の合間に話し合った事を思い出していた。
サブノックスは彼女が属する、グランディア公国近くに拠点を持つ魔王らしく、長年闘争を繰り返していたらしい。だが、敵の奸計に嵌り、前代勇者であった彼女の姉が魔王に捕らえられ、凌辱の限りを尽くされた挙句、その頭部だけ公国に送り付けられた。
彼女は大いに悲しみ、そして打倒サブノックスの為、数多の試練を超えて勇者となりサブノックスとの決戦に臨んだのだが、もう少しという事で、味方側のアクシデント(パーティの神官が妊娠によるつわりに襲われたらしい。・・・なんともタイミングの悪い)により、守護結界が緩んだ隙に味方が大ダメージを被ってしまった。
全滅を避ける為に、『迷宮間転位』でサブノックス共々別の廃棄ダンジョンの最深部に転位して諸共自爆するつもりだったとのこと(そこで躊躇なく自爆攻撃を選ばないで欲しい)。そこで、運悪くファイーアの街中に新ダンジョンが発生した事で座標が狂ってこちらの迷宮に転位、更に運の悪い事にロイパーティがたまたま攻略に来ていたのに出くわしてしまったらしい。
まあ、結果的には俺達が間に合った事で魔王サブノックスも滅び、彼女も無事、且つ俺は彼女と熱い一時を満喫できて万々歳といったところだ。
「あの魔族が、お姉さんの仇だったのか・・・。魔王に合ったのは初めてだけど、あんな糞野郎しかいないのだろうか? それとも人族と同じでいろいろいるのかな?」
「もちろん、彼らも私達と同じく『意志ある存在』ですから、いい人も悪い人もいますよ。」
突然声を掛けられた事で慌ててそちらを振り向くと、薄手の寝間着を身に着けたアリアがそこに立っていた。・・・あれ?何でここに!? 滅茶苦茶気まずいんだけど!!?
「気にしないでください。リリーナ様の事は私がお願いしたのですから。・・・・・ですが、それでも今夜は私達の初夜ですので。・・・もちろん、私のお相手もして頂けますよね?」
そう言うと、彼女は徐に衣服を脱ぎ始め、あっという間にその美しき肢体を晒した。触れ得ざる天上の美が受肉したような、いいようも無い程の魅力的な身体を前にした俺は、一気に欲望の中心が硬く昂るのを感じていた。・・・あぁ、いいぜ。朝まで張り切って愛し合おう!!!
その後、俺とアリアがあまりに激しく交わってたせいで眼を覚ましたリリーナさんが参戦して三つ巴で朝まで絡み合う事になった。・・・三人とかなんとも背徳的で最高の夜だった。
そして翌日、俺、アリア、ミリアナ、リリーナさん、そしてギルドマスターのリラさんの5人はギルド内の会議室にて諸々の情報交換を行い、今後の方針などについて話し合っていた。
「先ず、レオ様には我が悲願であった魔王サブノックスを討伐頂き誠に感謝致します! グランディア公国としての正式な御礼は後日改めてしたく思いますが、今できるお礼としてこの身をレオ様に捧げたく思います!」
「結構です。要りません。と、いうか単に自身をレオさんに貰って欲しいという願望ですよね?どの辺が御礼なのですか?」
リリーナさんのビックリな御礼に対してすかさず半目で睨んだアリアが塩対応。それにしても、リリーナさん、中々飛ばしてくるなぁ。俺、昨日アリアと籍入れたばかりなのに・・。
「アリア殿!? ちょっと辛辣すぎないか!? 私もそれなりに女の魅力は備えているつもりなのだが!? ハッ!もしかしてレオ様は私の身体に不満が!? どうなのでしょうか、レオ様!?」
「いやいやいや!俺は大満足だったよ、もちろん!」
「ホッ。ほ、ほら!アリア殿! レオ様は私を気に入ってくれた様だぞ! なら私も娶ってもらっても良いではないか!?」
「でしたら御礼などと言わず、最初から「お嫁さんにしてください!」とか仰れば良いのです。そもそも貴方は大公令嬢でしょう? レオさんの活動方針を考えると公国に囲われるのはデメリットが多いのです。その辺はご理解していますか?・・・それに私は正妻を譲る気はありませんよ?」
「もちろんだ!正妻などと贅沢を言う気は無いし、レオ様の行動を縛る気もない。・・・ただ、まあ、大公家の人間としては、強い男の血を取り入れたい、というのは無くも無いが。」
血って!子作りの事いってんのか!? 昨日会ったばかりだぞ!?・・・まあ、そういう行為はしてしまったから強くは言えないのだが。
「・・・・・・先程説明した通り、私達は既に人族の枠から外れてしまっています。又、魔人の詳細が不明な現在、近くに魔人以外の人を置くことを私は良しとしていません。余計なリスクは避けたいのです。・・・もし、本当にレオさんと婚姻を結びたいのなら『魔人化』をして頂く事になりますよ?」
いやぁ、流石に勇者様に魔人になれってのは無理じゃないか? しかも大公令嬢って要はお姫様だろ?そんな責任ある人が良く分からん存在になるのは不味いよな?
「もとより私は『魔人化』を施して頂きたいと思っている! なので何も問題ないですね、レオ様!?」
え?魔人になりたいの?元々強いんだし無理にリスクを負う事はないと思うけど・・・。
「ほ、本気ですか!? 魔人化してもらった私がいうのもなんですが、外見もどう変わるか不明なのですよ?」
「だが、三人共魔人化する事で力を増したのであろう?であれば私は躊躇する気は無い!私にはもっと力が必要なのだ。大切な者達を守る力が!!」
「ッ!」
そうか・・。確かに魔人化する事で力は得られる。けど、『魔人』って響きが魔族と混同されそうだし、姉さんの例でいえば見た目で人族から逸脱しかねないのだが、いいのだろうか?
「見た目が変わろうと、私の眼にはアリア殿もミリアナ殿も心根は以前と変わっていないと見える。であれば、私が躊躇う理由はないよ。私の見た目が変わったとしても父も母も私を受け入れてくれると信じているからな。」
「そこまで覚悟しているなら・・・私は止めません。唯、魔人化した際に副作用があるので時間帯を選ぶ事をお勧めしますけど。」
「ん?副作用?」
「凄くエッチな気分になっちゃうんだよ」
と、経験者のミリアナが端的に説明を入れる。対して、リリーナさんも「成程。了解した」と納得したようだ。
「で、レオさんどうするのですか?・・・私にも思う所はありますが、これはレオさんとリリーナ様のことですので判断はお任せします。」
まあ、確かにアリアの言う通り、リリーナさんを娶る云々は俺と彼女の問題かも知れないが、そもそも昨日会ったばかりの人といきなり結婚とか言われても困ってしまう。・・・肉体関係を結んでおいてと言われるかもしれないが、もう少し互いを知るのが先だろう。それに俺は昨日アリアと入籍したばかりなのだ。そんなにポンポン嫁さん増やしたくない。・・・まあ、魔人化については本人が強く望むのなら拒否する気も無いが。打算的だが俺としても新スキルが解放できるのは有り難いし。
「あ~、リリーナさん。まず『魔人化』についてはあんたが良いのなら俺は構わないよ。俺にもメリットがあるからな。でも・・・その、結婚云々はちょっと待ってもらいたいのが本心だ。俺は昨日アリアと籍入れたばかりだし、それに、もう少しお互いを知ってからのほうが良いと思うんだがどうだろうか?」
「確かに、そうだな! レオ様の言う通りだ! その、・・申し訳ない。私も随分と舞い上がってしまっていたようだ。アリア殿にも申し訳ない事をした!・・・それで、『魔人化』については改めてお願いしたい。見た目が変わったとしても私はもっと強くなりたい。魔族との戦争状態である今こそ、早急に力を付けたいからな! お手数をかけるがよろしく頼む!」
「・・・了解した。」
まあ、分かってもらえて何よりだ。・・・アリアも心なしかホッとしてるようだし。
さて、そろそろ俺達が今後どう活動していくかを決めないとな。正直今の俺達は少人数ながら特級戦力と化しているのは間違いないし、アリアもゆくゆくは最前線に戻る事を考えている。ただ、俺としては姉さんの『言伝』の内容についても調べたいと思っている。そう、『神の企み』についてだ。ヴォル婆にわざわざ頼んだくらいだから重要な事に思えるし、何故、『魔人化』するスキルなんてのがあるのかも調べたい。だが、調べるには、今の俺達では人手が足りないので、協力者、できれば組織レベルの、が欲しいところだ。・・・リラさんに相談してみるか。
「リラさん。俺は今後、『神の企み』やら『魔人化スキル』について調査をしていきたいんだけど、なにかいい方法ってあるかな?」
それまで黙って俺達をニコニコと微笑みながら眺めていたリラさんは視線を上に向けてそのほっそりとした人差し指を唇に当てながら、
「そうねぇ。正直魔人化に関しては、なんとも言えないけれど、神様関連ならやっぱり『ミドランド聖王国』で調べるのがいいんじゃない? 最古の王国って言われてるからねぇ。後は、私の故郷の『エルフィリア』かしらねぇ。・・・森人は長命種だから古い文献は結構残ってると思うしね。」
「でもミドランド聖王国って『地星』の裏側だぜ。行くのにどんだけ掛かるんだよ。それに俺達は魔人だからなぁ。迂闊に行って討伐とかされるのは・・・。ちなみにエルフィリアって俺らでも入国できるのか?」
「まぁ、私が仲介すれば多分入国は出来るわよ。それなりに伝手はあるから。 でも諸々面倒な手続きが必要だし、正直見返りが欲しいわね。」
「ああ、もちろん、出来る事ならなんでもするよ!」
俺がそう答えると、リラさんは妖艶な笑みを浮かべてこう言って来た。
「そうねぇ。じゃあ、今晩私を抱いてくれないかしら?」
・・・・はい?




