第21話 今後の方針
翌朝、俺達は真龍族か一人、黒龍ヴォルカンが用意してくれた朝食を食べて、今はまったりくつろぎタイム中だ。そんな中、俺は昨日の事を思い返していた。
なんというか、昨日は色々あって大変だった。
これまで避けて来た『魔人化』にヴォルカンとの戦闘、さらに剣聖ミリアナとの戦い、とイベント目白押しに加えて、ベッドの上でもミリアナと戦闘・・・これは俺の圧勝だったが。最後には魔人化したアリアと熱いバトルまで(こちらは敢無く俺の敗北だった・・・昨晩のアリアはマジで凄かった!)。更に、吃驚したのが、アリアが処女だったのだ! と、いうのも、魔人化の影響でその辺も再生したそうで、アリアの初物を頂くことが出来たのだ!・・・最初、ちょっと痛そうだったので気が咎めたが、すぐ回復術式で治したのでその後は問題なく堪能させてもらいました。
アリアはもちろんだが、ミリアナもまた非常に魅力的な女性だ。アリアと談笑している様子も可愛らしいし、何と言っても基本細めなのに出るところは出ているグラマラスな肢体、戦闘時の苛烈さと真逆な程にベッドの上で可愛らしく喘ぐ顔なんて思い出すだけで興奮してきてしまう程だ。そんな美女と交わえるとはED時代では考えもつかなかった。・・・全部アリアのおかげだ、ありがとう!!
それはそれとして、そろそろ家に帰って、ファイーアの街にも顔を出す必要があるな。・・・人種が変わっちまったし、討伐ギルドのマスターに事情を話して今後の方針も決めないと。ギルドマスターとは過去色々あって現在も世話になっているし、きっと今回も相談に乗ってくれるだろう、多分。
「アリア。今度最寄りのファイーアの街に行こうと思ってるんだけど、どうかな? ギルドでこれまで捕った獲物の換金もしたいし、俺らの魔人化についても相談したいんだよ、ギルドマスターと。」
「私は構いませんが・・・大丈夫なのでしょうか? ギルドマスターさんに話してしまっても」
「それは問題ないよ。・・・ギルマスは俺の固有スキルを知ってるから。」
そう。ファイーアの街のギルマスは昔からの知り合いで、俺の過去を含めた秘密を一通り知っている人だ。だから、相談にも乗ってもらえると踏んでいる。
「ま、そういう訳で俺らの事はいいんだが、・・・ミリアナ、あんたはこれからどうすんだ? 俺としては・・・俺達と一緒に来てくれると、その、助かるかなって思ってるけど」
俺がミリアナを見つめると、途端に顔を赤くしてモジモジし始めた。・・・まあ、照れくさいよな。こういう仕草を見ると、昨日の戦いでの苛烈さは全く無く、ひたすら可愛い小動物を連想させる。
だからという訳では無いが、俺は素直に『仲間になって欲しい』と誘うことにした。なんとなくだがアリアもそれを望んでいる気もしたし、打算的な考えからも、今後、最前線に赴くにあたり彼女の戦力が追加されるのは有り難い。
「えっ!? ・・・あ、あたしは・・その、そう出来たら嬉しいけど・・・」
「私からもお願いします。・・・ミリアナ、又、私と友達になってもらえませんか?・・・お互い、大事なものを失って、以前の関係には戻れないとは思います。・・・でも、これから新しく関係を築く事は出来ると、そう思っています。 どうでしょうか? 」
そう言って、アリアがミリアナに右手を差し出した。その言葉にミリアナが堪らず涙を流し出した。
「本当に・・・本当にいいの?・・・だって、あたしは・・・身勝手にあなたを裏切ったのに・・」
「はい。まあ、結果論ですが、私はレオさんと合えて、今幸せですし、意図せぬ事とは言え、あなたに必要以上の罰を与えてしまった。・・・ですので、お互い様、という事で水に流して頂けると助かります。 どうですか?・・・この手を、取って頂けませんか?」
アリアが優しく、少し潤んだ瞳でミリアナを見つめる。ミリアナがアリアの右手を両手でしっかり握りしめて答える。
「うん。・・うん! ありがとう、アリア!・・・あたしもあなたとまた友達になりたい!!・・だから、仲間にしてください!」
そこで感極まったミリアナが幼子の様に号泣し始めた。アリアはそんな彼女をそっと抱き締める。
「フフッ、全く、泣き虫さんなのは変わりませんね。」
「だって、だってぇ!・・・う、うわああああああぁん!!!」
暫くの間、アリアの胸の中で泣き続けていたミリアナもようやく落ち着いた頃に、アリアが提案してきた。
「それで、ミリアナ。 これはお願いになるのだけど・・・貴方も『魔人』になってもらえませんか? と、いうのもレオさんの固有スキルの解放条件が、魔人を増やす、事のようで、且つ魔人化の発動条件が、・・その・・・」
「うん、いいよ! アリアはあたしに魔人になって欲しいんだよね? だったらなるよ!」
「え? 本当にいいのですか? 人では無くなるんですよ?」
「うん。 だって、アリアも・・レオも魔人なんでしょ? 二人を見る限り問題無さそうだし、もっと強くなれるなら大歓迎だよ!」
「そうですか! ありがとう!・・・ん? レオ?・・・貴方いつから彼の事を・・」
「!、え、ええと、それは・・・昨晩ね、その、そう呼んでって言われたから・・」
「へぇ。・・・・・・・そうですか。」
アリアが俺の方をちらりと見遣る。・・・微笑みを浮かべてるのに極寒の中に放り出された気分になるのは何故だろう?・・・ちょっと怒ってる? ミリアナもあわあわしてるし・・・。怖い!!
「い、いやな、あんまり堅苦しい呼ばれ方もなんだな~って思ってな。」
「えぇ、そうですよね。 少しの間に随分仲が深まったようで何よりです。」
「だ、だろう?・・・ハハハ。」
アリアに暫くジト目で見据えられたものの、やがて一度眼を閉じてから再度開いて言って来た。
「フゥ。・・・まあ、いいです。では、家に戻ったらミリアナの魔人化をお願いしますね?」
すると、それまで黙って静観していたヴォルカンが急に割り込んで来た。
「なんじゃ? もう帰るのか? じゃあ、儂も共にいくぞ!」
「「「ハイ?」」」
・・・いきなり何言ってんの?この黒龍さんは?あんたが街になんか行ったらどんな騒ぎになるか分かってんのか!?
「別に心配無いじゃろう? 儂は伊達に長生きしとらんぞ? 力の隠蔽くらい訳は無いわい。」
確かに、彼女は現在見事なまでにその力を隠している。一見そこらの少女と変わらない。・・・その圧倒的な美貌を覗けは。
「いやぁ、いくら力を抑えてもその容姿は目立つだろう?」
「良いではないか! 美少女三人も連れた、ハーレムパーティとして有名を馳せられるぞ?」
「馳せたくないわ、そんなもん!!」
「二人も三人も今更じゃろ?」
ぐぅっ、確かに、そう言われるとその通りだが・・。こいつ連れてたら俺、ロリコン呼ばわりされないだろうか?・・・まあ、この後、アリアと籍入れるんだし大丈夫か。
「私は賛成ですよ、レオさん。 実際彼女の知識は非常に役に立ちますし。本人が望まれるなら問題は無いと思います。」
「あたしも賛成! だってその子滅茶苦茶強いでしょ? いろいろ稽古つけてもらえそうだし!」
女子二人は賛成のようだ。・・・まあ、悪い奴じゃないのは分かるし別にいいのかな?実際、俺らよりずっと強いわけだから、戦場で足手まといには成らないだろうしな。
「わかったよ。でも、ここの管理とか大丈夫なのか?いきなり火山が噴火とか困るぞ?」
「大丈夫じゃ! その辺は部下に頼んでおくでの。ちなみに儂はお主らを観察する為に同行するのであって、基本戦闘に手は貸さぬからの。・・・あまり我らが人族に介入するのは色々問題があるのじゃ、『掟』の関係でな。」
「・・・まあ、問題ないよ。 じゃあ、これからもよろしくな。」
なんだかずっと一人ボッチだったのが随分賑やかになりそうだ。なんとも不思議な巡りあわせだな。




