表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/18

八話、蕎麦はシンプルに麺ツユで啜るのが好き。

今日から一日一回更新でゲソ

◆◇◆

 夜。コタツを囲い、食事(温かい蕎麦)を摂っている時のこと。


「そいえばさ、固有魔法ってなに?」


 鈴木の言葉に、固有魔法所有者であるメリーは――――固まる。


「一文で言うと『魔法の上位互換』、だな。所有者は少ないから詳細は一つ二つぐらいしか分からん」


 そこへ助け舟として、アルスターが言を挟む。


「へー、上司上司、上司は固有魔法持ってる子、知ってんの?」

「メリーを除いて、一人。

 ある大陸に住む人妻、名前はクリスティア、もしくはクリストフ……あれ、クリストファー?」

「名前覚える気ないぞコイツ」


 アルスターは汁を啜り、テーブルに置く。


「知っている情報は二つ、固有魔法所有者は全盛期になると不老になる」

「メリーちゃん、あと何年かしたら不老になるん?」「いいえ、ずっと、この見た目です」


 鈴木はメリーの胸を見た。憐みの視線だった。


「(……永遠のゼロ)」

「今何か、恐ろしく失礼なことを考えませんでしたか?」


 メリーは不老:永遠のロリ。


「二つ目、固有魔法所有者は【固有魔法】とは別に【魔装】と呼ばれる能力を出すことが出来る……条件を満たしていれば、だがな」

「魔装? メリーちゃん、持っとる?」「はい、持って、います」


 メリーは過去、アルスターの前では使用したことを思い出す。

 それはドスコイマッスル王国の城下町、ミリッジに言い寄られた際の暴走。

 銘を終焉ガ喜劇ヲ齎ス(メリー・バットエンド)。それこそがメリーの魔装である。


「じゃあ条件? つーのは?」

「固有魔法によって異なる、らしい……俺の知ってる所有者の場合は【導き手】の属性が一定以上になれば達成、らしい」

「はい、私の魔装もそんな感じです」


 メリーは首肯する。鈴木は蕎麦を啜る。ぷはぁ、という可愛らしい声を漏らす。


「ぁ……」

「「?」」


 そこでメリーは小さな声を漏らす。それはメリーがある事柄を思い出したからに他ならない。


「いえ、すみま、せん……少し、思い出した、ことがあった、だけです」

「ふーん、昔の話?」


 メリーは蕎麦をおく。そして祈りをするようなジェスチャーを取る。


「はい、私の所有する固有魔法を解除することを、忘れていた……というだけの話です」


 ――――【骸骨兵】ヲ 回収シマシタ。

 どうでもいいが、ドスコイマッスル王国が詰んだ。


「(彼らも、大人 だから……私一人、いなくても……きっと、大丈夫)」


 メリーは人の可能性を信じて、意識を現実に戻した。


「……固有魔法、知りたい、ですか?」


 アルスターと鈴木は頷いた。


「分かりました……私の固有魔法は、分かり易く、言うと『骸骨の召喚』です。ある条件を達成すると強力な骸骨兵を使役できます」

「へぇ……強力な骸骨、かぁ」

「…………素敵な、能力、だ」


 この時、鈴木とアルスターの心が一つになった。

 ――――能力、ショボくね?


「う、うん! 骸骨って、カッコイイよね! なんか、ほら……白いし?」

「その理屈だと鳥の糞がカッコイイことになるな」


 鈴木、撃沈。


「まあ……そうだな……カルシウムって感じがする。産業廃棄物の上位互換割る2ぐらい凄い」

「上司、眼鏡キャラなのにスゲー馬鹿じゃん」


 全力のフォローだった。そしてどちらも全力で足を引っ張った。


「(……フォローされた、手前。骸骨兵が全部で一億近くいるなんて、いえない……)」


 そしてメリーは気遣いに涙した。

 今日も魔王城は平和だった。


◆◇◆ メリー視点

 三時間後、御主人様の部屋。


「……」「……」


 目の前に御主人様。足元に私のベット。

 これから行うことは睡眠。ただ、眠るだけです。

 ――――同じ部屋で。


「……おやすみ」

「おやすみ、なさい」


 御主人様は気まずそうに、布団に入る。私も、一足遅れて 自分の 布団に入る。

 ふかふかの布団、パジャマ、温かいご飯……どうして、御主人様は、こんな施しを、してくれるんだろう。

 ……わからない。


「…………」

「……?」

「…………」


 もう、寝た……!? 早い、とても早い。魔王、だから、かな……?

 ※関係ありません。


 …………。私も、眠ろう。


「…………」


 御主人様は、私を 女性に慣れるため、買ったと、いった。

 ――――それは、嘘だ。


 傍には鈴木さんがいる、だから、女性に慣れる、は嘘だ。

 …………じゃあ、どう、して。


 わからない。わからないわからないわからない……………………もしかしたら、捨てられる、かも、しれない。


 ……………………。




 私は、自分の布団から出る。


「…………」


 ……………………。

 御主人様の、布団に、侵入する。


「…………」


 布団の中で脱いだ服を投げる。

 次に、ネグリジェを、脱いで、投げる。


「…………」


 ……………………私、は。


「…………?」


 動けない、ことに気付く。

 なんだか、背に手を、回されて――――寝相!?


「ん……っ……っ」


 抱き枕感覚で、抱き着かれている。

 ――――脱出、不可能。


「……………………」


 とくん、とくん。と、変な音が、聞こえる。

 胸に、温かい熱が伝わる。


「……………………」


 ――――え? もしかして今夜、ずっとこのまま?

 私は現状が続いた場合、高い確率でそうなることを理解した。


「…………」


 熱が伝わる。


「…………兄が、いたら……こんな感じ、なのかな」


 思ったことが、少しだけ漏れる。


「…………おにい、ちゃ…ん」


 胸が、少しだけ、キュンとなる。


「…………おにい、ちゃん……おにー、ちゃん……おにぃ、、おにい…ちゃ、ん」


 何度も、何度も言ってお兄ちゃんが一番、キュンとなる。ことが、分かった。


「…………」


 そして私は、密かに決意した。

 ――――御主人様を、メロメロに、させよう、と。

 クリスティア……一体どこのTS英雄なんだ。


 ちなみに、現在クリス(見た目14歳)は人妻となり妊娠しました。お相手は特に特徴もない平凡な男性です。

 あとフェロモンの関係で胸が大きくなったそうです。

 ■リ巨乳人妻です。



 PS:上記の作品はGA文庫大賞で落ちたのを確認したら、ノクターンノベルズにて公開します。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ