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雨粒のこと

作者: タマネギ

おとなしいってよく言われた。

通知簿にも、そう書かれていた。

目立たない子供だった。

いてもいなくても、

どっちでもいいような。


梅雨の頃、教室の窓から

雨を見ていて、

綺麗だなと思ったことがある。


雨粒の一つ一つを、

目で追いかけようなんて、

できるはずもないのに、

なんども挑戦した日があった。


頭、そんなに良くない。

聞いていてもわからない授業が、

とてつもなく、辛かった。


おとなしい子供には、

先生は、あまり怒らなかった。

それなのに、あの日、

雨粒を追いかけていたときは、

なんだか…すごく怒られた。


それから、学校が嫌いに、

先生という人たちが、

嫌いになった気がする。

逆恨みもいいところだけど、

雨粒のほうを、

大切に思うことしかできなかった。

ある意味、頑固な子供だった。


相変わらずかもしれない。

今でも、学校に関わることは嫌い、

トラウマなんだろうか。


大人になって、学校に行き、

子供たちの様子を見るようになった。


みんな、一生懸命に何かに

向かっていた。

先生も、色々と神経をすり減らし、

時には、悩み葛藤し、子供たちを

見つめていた。


みんな、人間だから、輝き、

人間だから、くすんでいる。

動物が、決められたルールに従い、

欲求をコントロールするために、

目を白黒させている。

そこに、男と女の性が絡まる。


フロントガラス越し、雨粒、

目で追ううちに、思い出した。

子供の頃のこと、子供たちのこと、

学校のこと、先生という人たちのこと。

それに……

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