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第九十五話

「だから俺が来たんだけどね」

そう彼はまた髪を掻く。

なにか考えるときの彼の癖なんだろうか。


「助命嘆願ってやつ? ほら前の一件があるからさ。いくらか発言力も残ってるんだ」

「前の一件?」

言った後で後悔した。


彼は哀しげな表情で頷く。

「魔法使い退治の一件さ。皮肉な話だけど同じ魔法使いの命を救うために奪った命を使うなら、あいつもいくらか浮かばれるかもな」


「……クルスさん」

「教会の連中は非情だ。お前を『再利用』するより『処分』しちまった方が早いって考える人間の方が多いぐらいにな。そうさせないために俺は早馬で来たんだ」


彼は真剣な顔で言った。

私のためにいろいろと考えてくれたんだ。

彼は私の肩にそっと手を置く。


「だから今度食事でも?」

「それとこれとは別ですねー。私誠実な人が好きなんですよー」

彼はちぇっとかアミィもそう言うんだよなあとかぶつぶつ言ってた。


「まっ。俺からももう一度ジャンと組める様に教会に進言してみるよ。馴れた奴の方が良いに決まってるからな。新しい女の子もまだ組んで日が浅いだろうし」


彼は淡々と言う。


「……それでも教皇次第かな。相当クセがあるって噂だから、どうなるか予想がつかないな」


まだ見ぬカラティーヌの教皇。

彼の手に私の命が握られてるんだ。

私のこれからってどうなるのかな。先の見えない未来がたまらなく怖くなる。

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