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第七十三話

階段を昇りきると青い空が広がった。目の前の石畳には苔が生えている。

欠けた石柱の隙間から冷たい風も吹きこんでいた。

高い場所だからかすごい寒い。着替えさせられた布の服をさする。


ここの皇帝は馬鹿なんだろうか。


そう左右に広がる重臣の群れとはるか彼方に位置する皇帝を見ようとする。

こんなに巨大で荘厳な城なのになんで一番高い場所にある一番偉い人たちが政治する場所が遺跡みたいにボロボロなんだ。


絶対風邪ひくだろ。こんなの。そう私は老婆みたいに身体をさする。

ふと足元を見ると皇帝へと続く赤い絨毯が眼に入った。金色の糸で刺繍がしてある。これがかろうじて皇帝の威厳を保っていた。


紫の髪の男ですらこの重圧感には緊張している様子だ。

平静を装おうと無理してるのがわかる。

そう彼は硬くなりながら私を連れ絨毯を歩く。


「これ以上はご遠慮頂こう」

そう皇帝の重臣の一人が彼を制止し低い声で言う。

一枚、二枚、三枚。そう眼で数える。豪奢な服を重ね着してる。


やっぱ寒いんだ。しっかり対策してる。

人間ここまで来ると腹が座るのかかえって私は落ち着いていた。

紫の髪の男は歯を軽く鳴らしている。


生き残れる可能性が高い人の方が怖がってるなんて笑っちゃうな。

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