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第六十九話

「他にも詠唱型ってのがあってですねえ」

私は葡萄酒で陽気になりながらつづける

「これはもうあんまり主流じゃないですね」


ははっと笑った。

「でもクラスの炎熱系の男子には人気がありましたよ。唱えるとこう熱くなるんだって! 実際魔力が強くなったりすることもあるんですよ」


そう私は過去の楽しい思い出に浸りながら語る。

「冷却系の男の子は眼鏡なんか直しながら逆のこと言ってましたがね。『ふんっ。魔法というのは再現性がないとならないんだ。常に望んだ威力。望んだ結果が出なければならない。』もうこうね唇を尖らせて言ってましたよ!」


そう私は独りで爆笑する。

「あーあ。……懐かしいな」

そう夜空を見上げると魔法学院で見た空と同じだった。


何やってるんだろ。あの頃とずいぶん違う私になっちゃったな。

メニョのお菓子が食べたいよ。

みんな元気でやってるのかな。


「悩んでるの?」

そう紫の髪の男は言った。

「……はい」


憂鬱な気分になるとまたジャンの影がちらついた。

忘れろ忘れろ私。あいつは嘘つきで最低の男だ。

でも私が勝手に好きなっただけだからあいつは悪くないのか?


公正になりたい気持ちと恋愛感情の板挟みになる。


「好きな人でもいるのかな?」

そう言われてはっとした顔になる。

そんな私を見てその男はゆっくと口元を上げる。


「いや。そんな顔してたからさ。……良かったら相談に乗るよ」

そうその紫色の髪の男は私との距離を詰めた。

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