表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/242

第五十話

クルス・ランブリングとその赤毛の騎士は名乗った。

彼は箸を持ちながら話す。

「しっかしあの魔法式はすごいなあ」


ジャンは国家機密だぞと釘をさした。

「良いじゃねえか。ここにいるのはみんな身内だ」

それに、と彼は器に箸を置いて続ける。


「あんなの隠しきれるもんじゃねえよ」

ジャンはその言葉に何も答えなかった。

「話と違うじゃねえか。俺たちが見たのはあんなんじゃなかったぞ」


ジャンは腕組みをしながら黙っている。

アマリアさんは猫舌なのか異常に麺を食べるのが遅い。

「最高の魔法使いを集めた実験だったはずだ。魔法学院学長。終身名誉魔道師。その他もろもろな。だが誰もあんな威力は出せなかった」


クルスさんは顔の前で手を三角形に合わせ続ける。

「こんなに結果が違うとなるとあの噂が本当だって気もするぞ。だとしたら俺はこんな護衛は続けたくない」


私は意味がわからなくて頭にはてなが一杯だった。

「……クルス」

ジャンが静かな声で言った。


「護衛を続けるかどうかはお前が決めることじゃない。それにそれ以上喋るとお前を殺すことになるぞ」

そう言う彼の眼は戦争に出ていた時と同じ獣みたいな眼になっていた。


クルスさんは呆れた様な顔をして言う。

「俺はお前と違って教会の犬じゃないからな。灰騎士でもう充分なんだよ。黒騎士なんかになりたがるお前とは違うんだ」


彼も睨み返す。

「俺にも俺の正義がある。教会なんか関係無い。それにお前に俺が殺せると限った話でもあるまい?」


そうゆっくりと剣の柄に手をかける彼の眼は髪の色に似て燃えるような瞳だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ