表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/242

第四十八話

白い透き通った湯の中にひっそりと漂う麺。

香ばしい匂いを含む湯気。

刻まれた野菜の下に隠れる白身魚。


「うーん。ルンプーって美味しいね!」

麺を啜り頬に手をやる。お口の中が幸せだ。

「まったく。お前は。食い意地ばかりはって」


隣ではふはふ食べてるジャンに言われたくなかった。

「売り切れですかぁ」

屋台の方から残念そうな声が聞える。


ごめんなお嬢ちゃんと店の主人が言う。

「今茹でてるやつが二つあるだろう」

そう赤毛の騎士が言う。


「それはそこのお客様のもので……」

そう主人が申し訳なさそうに私達がいる机を掌で示す。

赤毛の騎士はこちらに目をやる。


「もう食ってるぞ」

「……へえ。しかし」

そう主人は頭を掻く。


「お前、注文したのか?」

「うん。したよ」

ジャンが小声で聞くので私はあっさり答える。


「お前。普通こんなの後二つも食えんだろ」

「違うよ。ちゃんとジャンの分も頼んだから後一つだよ」

「あ。良いですよー。ちょっとこっちの手違いだったみたいですー」


そうジャンは口の横に手を添え大きな声で騎士に食べるよう勧める。

「おっすまないね。何て良い人達なんだ。ほらお前も礼を言え」

「すみません。何か催促したみたいで」


そうその女の人が赤毛の騎士の後ろから現れ頭を下げた。

黄金色の髪が揺れる。

「あっ」


そうお互い顔を見合わせ言ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ