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第二百三十話

「おっと近づかないでくださいよ」

そう彼を牽制する。

彼はたじろぐ。やっぱり予測通りだ。


「貴方は嘘が上手な人です。それにこの戦いで私も一杯騙されてきました」

私は魔力を集めながら微笑む。

「だから違和感に気付いたんです」


彼の額には汗すら浮かんでいる。

「どうして『魔法が効かない』って何度も連呼してたのかって」

私は笑って見せる。


「その違和感があったから。たった一度魔法を避けた瞬間を見逃さかったのかもしれません。……貴方が魔法をかき消せるのは本当です。だけど限界があるんじゃないですか?」


そう掌を高く上げながら魔力を身体に宿す。

「私が何処までの威力を出せるかわからないから悩んでるんですよね?」

そう彼に訊く。


正直、私だってわからないんだ。

どこまで彼が魔力をかき消せるのか。

だからこの魔法に全てをのせるんだ。


だってこれを避けられたらもう終わりだから。

もう身体が持たないんだ。立ってるので精一杯なんだ。

だから私が今できる最高の魔法を放つんだ。


身体が軋む。最初にこの魔法を使った時を思い出す。

あの時は逃げたんだったな。だから体力だってあった。

だけど今の私は逃げてない。だから身体もボロボロだ。


この状態で使うとどうなっちゃうんだろう。


でも良いんだ。

最後の最後で勇気を持てたことが嬉しいから。

この勇気を振り絞れ私。


これが最後の私の魔法だ。

そう大聖堂の頂上で魔力を集める。

私の掌が白く輝いた。

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