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第十七話

私は戸惑った顔をする。

「あのお言葉ですが私がですか?」

そう胸に手を添えて聞いてみる。


老軍人は黙って頷く。なんで私が。

そう思ったが途中で思い出した。

後方支援の仕事なら魔法使いにもある。


炎熱系なら湯を沸かしたり肉を焼いたり。

冷却系なら食糧を腐らせないように管理する業務だ。

「あ。なるほど後方支援ですね」


彼らは首を横に振る。

「前線に出る兵隊としてだ」

その言葉を聞いて脇から冷たい汗が流れた。


「で、でも魔法使いは体力、精神ともに兵士としては不適格で」

老軍人は机を拳で叩く。

「そんなものは小娘に講釈されるまでもなくわかっとるわい!」


私はびくっと身をすくめる。暫く沈黙が場を支配する。

それでも震える唇で質問してみた。

「し、しかい、しかし教国は戦いはじめて無敗のはずです。この前もウェルトミッドで大勝利したと。魔法使いの力なんて……」


すると灰色の服の男が初めて口を開いた。

「それは事実ではない。民衆の士気を上げるための政治的宣伝だ」

低い声だった。


「我々はウェルトミッドで敗北したんだよ」

その男は私の瞳を見ながら言った。

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