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第百五十七話

「ジャン! ボウガンが狙ってる!」

思わず叫んでしまった。

その言葉にボウガンの向きが変わる。


え? 私?


その時察してしまった。

あっそうかジャンなんて戦い慣れてるんだ。

見てない様で視界に入れたに決まってる。


避けるなり動き続けるなり対処は出来たはずだ。

一番狙われちゃまずいのは私だろ。


一発目は躱せた。

向こうが慌てて撃ったからだ。

私は身体を斜めにひねらせる。


見なくても向こうが慌てて矢を装填してるのが容易に想像できる。

上体を戻しながら考える。

やばい。


なに戦闘中に油断してたんだ。

殺されかけるのも当たり前だ。

呼吸が荒くなる。


考えなきゃ。

ジャンは地下組織の人たちに囲まれている。

きっとボウガンの男にまでは手がまわらない。


じゃあ入口に逃げるか? 駄目だ。

距離がありすぎる。背中を撃たれてお終いだ。

じゃあどうするの? 打つ手が無い。


あんなに死線をくぐり抜けてきたのに。

こんなくだらない死に方って。

瞳が熱くなる。


斜めになったせいで一瞬だけ死体が視界に入った。

彼らもそう思って死んだのかな。


こんなくだらない死に方で。


私だって例外じゃないんだ。

身体を戻す。すぐ視線をボウガンの男にやる。

やっぱり装填しようとしてる。


ジャンも予想した通りの状況だ。

どうしよう? 額から汗が流れる。

何も思いつかないまま二本目の矢が装填された。

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