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第百五十六話
倉庫なのかな。埃くさい。
窓も木板で塞がれている。
線みたいな光しか室内に入ってこない。
早速ジャンが一人斬った。
その人は変な声を出しながら隅に置いてあった木箱に寄りかかる。
そのままずり落ちていき最後には動かなくなった。
木箱に血が延びる。
その様子に気づいた部屋の男たちが襲いかかってくる。
でも一回、二回、彼の剣が振り上がって下がっただけで。
同じ景色の繰返しになる。残りの男達も後ずさりしていた。
うん。こりゃあ私の出番はまた無いな。
だってジャン強いんだもん。
そんなことをぽけーっと入口で考えていた。
眺めていると彼の剣線に入った男から簡単にどこか切断されていく。
もう剣鬼だね。前より強くなってるんじゃないか。
何を手伝うことがあるって話だよ。
そう余裕気な態度で眺めていると瞳が大きくなった。
部屋の隅にいる男が息を乱しながらボウガンを構えていた。
その眼はジャンを真っ直ぐ見据えている。




