表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/242

第百四十六話

教会のステンドグラスが太陽の光を七色に変える。

教会図書館。聖都を離れる前に絶対に寄っておきたい場所だった。

「これが黒魔法の創始者……」


そう薄茶色の本に眼を落とす。

ごわついた黒い長い髪。精悍な顔立ち。神経質そうな瞳。

「やっと会えた……」


ヴィンセント・ブランド。

貴方はそういう名前なのね。

私の御先祖様かも知れない人。


悪そうな顔してる。

どうして弟を殺したの?

そう彼の挿絵の髪を撫でてみる。


貴方の罪で私苦しんでるんだよ。

好きな人と一緒になれないんだよ。

そう何百年も前の御先祖様に愚痴を言ってみる。


他にも文章と供に挿絵つきで白の魔法使いカーマイン・ブランドの紹介も書いてある。誠実で高潔な人柄か……。


なんでこっちが私の御先祖様じゃないんだよ。

そう掌を額にのせて心の中で愚痴る。

己の血を呪ってしまう。


人に自慢できる血が欲しいよ。

誰も知らない場所にいけばもう誰も私を馬鹿にしないんだろうか?

そう静かな図書館で苦悩した。知らない誰かが紙をめくる音だけが耳に残る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ