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第十四話
神父さんは中肉中背で恰幅の良い人物だった。
栄養が指の先まで行きわたっているといった感じだ。
「神父様。御見事でした!」
メニョが瞬きを何度もして言う。
「まさに神の御業。もうなんと言ったらいいか……ああ! 感動しました!」
私が咳払いをした。
彼女は白い頬を赤く染めたまま言葉を紡ぐ。
「あ、そうでした。今日は私の友人を神父様にご紹介しようと……」
そう彼女は私を掌で示す。
神父は笑顔で答える。
「もちろん構いませんよ。貴女はかかさず礼拝に来られる敬虔な信者ですから」
そう彼はメニョの黄金色の髪を撫でた。
「御友人もさぞ素晴らしい方なのでしょうね」
そう私に眼をやり説教師らしい口調で続ける。
「隣人は自己の鏡です。魂は同等の魂と惹かれあうものですから」
「はじめまして神父様。カーシャと申します」
私は軽く握手をする。それから単刀直入に聞いてみた。
「カラティーヌ教では失った人を甦らせることが出来るとお聞きしたんですが」
私がそう訪ねると神父の顔は硬くなった。