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第十三話
メニョは教会の長椅子に座りながら手を合わせる。
今日は銀の首飾りを服の上に出している。
神の家は荘厳な造りだった。
神父は市民に囲まれている。
「なるほど農具で怪我をしたのですね」
彼はそう言って農夫の膿が出た足に手を添える。
神父の掌が黄色く輝いた。
すると彼の手の動きに合わせて傷が消えていく。
群衆から歓声が沸いた。
「奇跡だ。まさしく奇跡だ!」
「カラティーヌのご加護……。有り難や」
「初めてみた! たまげたなあ」
その様子を見て涙を流す老婆すらいた。
「すごいね」
私はメニョの耳に囁いた。
彼女の方を見ると両手を強く握って恋する乙女の様に神父を見つめていた。
「ああっ! すごい。カラティーヌ様……」
そう彼女は感慨深そうに息を吐く。
もう狂信の域に達してるんじゃないだろうかと友人が心配になった。