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第百十五話

「頼みますよー働かせてくださいよー」

そうジャンが城の門を叩く。

「仕事が無くて困ってるんですよー」


私は横目でいつもの彼の饒舌な人格を眺める。

毎度毎度なんなんだこれ。

ひょっとしたら彼の憧れの性格なのかな。


普段真面目にしてるから演技の時くらいはめを外したいとか?

たまには発散させてあげたほうが良いのかなあ。

今度気晴らしに散歩でも連れてってあげよ。


それにしても。

そう雪が降る城を眺める。冬の城って絵になるな。

小さな城だけど中々しっかりした造りだ。


そんな風にしてると城の門が内側に開く。

そこからひょっこり頬のこけた男が顔を覗かせた。

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