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散文詩「ダークネス」

作者: 加藤 一央

永劫に降り積もる闇

拘束服のなかで星を見上げる

ステルス爆撃機の胎動で地上が目覚める

脳の痙攣

瞳孔でさ迷う光子

聞こえる

巨きな暗黒がみずからの海で歌い身をよじる


私は倒れている

頬がアスファルトに触れている

舞い散る灰

解剖灯から雪のように光が降る

ちりちり

冷えたくらげに降り注ぐ

季節は硬くなる

国境は膨張し部屋を押し潰す


窓ガラスに映った雪が重力線のかなたに消える

国境のむこうで鯨が鳴く

兵士が空を見る


私は立つ

硬直する水槽

街が点滅して落ちる

灰色の通りを走る

雪を被った街灯が並ぶ

水槽のガラスに映る雪


ビニル手袋

その奥の蒸した肌

つまみあげられる私

降り注ぐ灰色の光

ちりちり

あおむけにはりつけになる

粉々になる

解剖灯の光が包む

雪に埋もれた屍体

ガラスに散乱した半透明のかけら

電子回路は崩れる体を記録する

鯨の吼える声

体温を帯びた闇の心音

胎児の躍動の歌



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