7-11
「隊長さんが悪いわけじゃない。オレたちが着いてきたいって言ったんだ」
兵士たちに紛れて、イギーが走ってくる。洞窟の中で身に着けていた鎧は外れていた。
「あそこはオレたちが作った集落だ。最後までオレたちが見届ける」
エルティオの目から逸らさず、力強く話すイギーを恵は頼もしく感じた。同じことをエルティオも感じたのかもしれない。エルティオの眉間に皺がなくなった。
「そうか。だが、あの集落をなくしはしない」
その言葉にざわめきが起こる。しかしエルティオが言葉を続けると、それはすぐ止んだ。
「シィローディア、溶岩の流れを海へと向かわせる。岩を動かせる者は岩を道なりに積み上げろ。それ以外の者は岩の壁が崩れないよう木を積み上げ補助しろ」
「はっ」
「おう」
兵士たちと集落の民が揃って返事をする。その合わさった大きな声が、まだ何もしていないのに解決したように錯角させた。
恵は、オリスたちから教わったこの国の成り立ちを思い出した。王と民、そして仔神が力を合わせて国を守る姿が今の状況ととてもよく似ている。恵は胸を熱くさせ、零れ落ちそうになる涙を必死で堪えた。そんな恵を他所に、シィローディアが指示を出している声と、イギーの指示を出している声が聞こえてくる。
(よし、私も一緒に集落を守ろう)
恵は決意を新たに、小梅が作り続けている畝を見下ろした。どうすれば、火山を止めることができるだろうか。こちらに戻ってきたエルティオを見上げた。
「火山自体の力をそぐことはできないの?」
「地中にある魔力を抽出できれば、火山の力も弱まると思う。だが、魔力の抽出は限られた者にしかできない」
恵の目を見て話をしていたエルティオの視線が小梅へと向けられる。だが、すぐにこちらの方へ視線を戻した。その表情は、どこか辛そうに見えた。
「それに、運よく魔力を抽出できたとしても、その魔力を放出する場所がない」
「あるよ」
これ以上は打つ手がないというエルティオの言葉を黙って聞いていた恵の耳に、聞き覚えのある声が聞こえた。
【お礼】
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そして、そして、いつも読んでくださっている方
本当にありがとうございます♪
物語りも残すところ少しとなってきました
引き続き、よろしくお願いいたします m(_ _)m(ペコリ)




