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直後、大きな爆発音と同時に押されるような強い熱風を背中に感じた。それと共に誰かに腕を引っ張られる。体のあちこちが何かに当たり、自分が今どうなっているのか、恵は考えることもできなかった。
ほんの一瞬だったのだろうか。それとも何時間も経ってしまったのだろうか。辺りが静かになった頃、エルティオの声が頭上から聞こえてきた。
「大丈夫か?」
声のした方を向くと、随分と近くにエルティオの顔がある。そのことに驚き、恵は体をのけぞらせた。どうやら、エルティオに抱きしめられていたようだ。
「えっ、あっ、ごめんなさい」
慌ててエルティオから離れ、彼の視線から逃れるように周りを見回した。辺りには大きな岩が重なりあっている。
(一体どうなったの?)
何が起こったのか、頭の整理が追いつかない恵は呆然とその岩を眺めていた。
「いや、いい。それよりも怪我はないか?」
「えっ? うん、大丈夫。あっ、小梅は? 小梅、どこ?」
先ほどの爆発で生き埋め状態になったらしい。だが、この場所にはエルティオと自分の二人しかいないようだ。恵よりも早く部屋に入った小梅の安否が気になった。
(岩と岩の間に挟まれていたらどうしよう)
悪い方ばかりが頭を過ぎる。そのたびに恵は血の気が下がり、手が震えた。そこへ大きくて暖かい温もりが恵の手を覆う。
「大丈夫だ。この向こう側にいる」
「ほっ、本当?」
「ああ」
エルティオの言葉を聞いて震えていた手が止まった。優しく頭の上に置かれたもう一つの手の重さに涙が零れた。
「良かった」
言葉と一緒に吐き出された息が、恵の硬くなった体をほぐす。その時だ。突然地面が揺れた。
「キャー」
気が緩んでいた分、余計に大きく感じる。恵はエルティオに抱きつくように体を丸めた。
「な、何? また爆発したの?」
「いや、これは爆発じゃない。噴火の前触れだ」
「噴火?」
「ああ。まだ、噴火するまでに時間があると思っていたが、さっきの爆発で早めてしまったのかもしれない」
このまま生き埋めになってしまうのだろうか。そんな焦りが恵に生まれた。
何か考えようとしても、気が動転していて何も浮かんでこない。その上、エルティオに話しかけても黙り込んだまま何も言ってこない。
(もしかして、今の揺れで具合が悪くなったとか?)
心配になった恵はエルティオの腕を揺さぶり始めた。
「ちょっと、ねえ? 大丈夫なの? ねぇってば」
「うるさい、黙ってろ! 今、クーリと心話してるんだ」
エルティオの一喝で恵のパニックが収まった。正気に戻ると、それまでの自分の行動が恥ずかしくなる。
(いくら気が動転してたからって、隠し扉を爆破しちゃうような人が具合悪くなるはずがないわよね)
うなだれていた恵の頭を、エルティオが乱暴になでる。髪が乱れるほどの痛さだったが、一緒に聞こえてきた優しい声が、その痛みをすぐに忘れさせてくれた。
「悪かった。クーリ、シィローディアに、ここから脱出し救出班と合流したら、集落の民を避難させろと伝えてくれ。集落までの道はイギーが知っているから大丈夫だろう」
不安がった自分のためにわざと口に出してくれているのだろう。エルティオのいたわりが嬉しかった。




