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犬神様の乳母  作者: 高木一
7、大団円までの道のり
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7-2

「なあ、アンタは帰らなくていいのか?」


 恵がサツキとヤヨイをなでている所へイギーが近づいてきた。どこか、遠慮がちな彼の言葉に恵は笑顔で応え返す。


「うん。だって決めたんだもん」


 恵の言葉にイギーは不思議そうに首を傾げる。だが、すぐに真面目な顔になり、恵に頭を下げた。


「すまなかった」


 突然のイギーの行動に、恵は逆に戸惑った。しかし、その後に続くイギーの言葉は恵の心を温かくするものだった。


「謝ってすむ話じゃないと思うけど、行く前に言っておきたかったんだ」


「いいよ。怖い思いもしたけど、ここに来れて逆に良かった。だから、許す。その代わり、イギーは絶対、みんなと一緒に帰ってきてね」


「……ありがとう」


 再度、頭を下げるイギーの元へ一匹の半獣が近づいてきた。エルティオの半獣、クーリだ。じっとこちらを見ているクーリに向かって、恵は手を振った。恵が気づいたことに満足したのか、クーリはイギーを置いて元来た道を歩き始める。その後を追うようにイギーも歩き始めた。


「じゃあ、行ってくるから」


 集落の入り口付近には、イギーを見送る集落の民が集まっていた。それぞれに、思い思いの言葉をイギーにかけ、イギーもそれに応える。その最後にヘリアの姿があった。


「気をつけるんだよ」


「わかってるって。婆ちゃんも体辛いんだろ? ちゃんと連れて帰るから大人しく寝とけよ」


 右手を挙げて大きく振りながら、イギーは笑顔で集落を出て行った。






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