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地面に座り込んでいる恵と小梅を囲むように、イギーとイエリアが向かい合う。
「その仔、お姉さんの半獣なの?」
「どうやら、そうみたいだぞ」
訂正しようと口を開くたび、どうしても小梅に邪魔されてしまう。恵は二人の勘違いを正すことができないでいた。
「そうなんだ。でも、なんか他の仔と違う感じだね」
すっかり二人の間では小梅が恵の半獣だということになってしまったようだ。
恵は二人のやり取りを聞いている間、訂正しようとタイミングを計っていた。しかし、上手い説明ができそうにない。結局、恵は訂正せずに勘違いさせたままでいようと決めた。別に嘘をついている訳ではないから大丈夫だろう。後ろめたい気持ちを微かに抱きつつ、恵は自分に言い聞かせた。
「外にいるってことは、お姉さんとの話は終わったの?」
「ああ。とりあえずはな」
イギーの言葉を聞いて、イエリアは嬉しそうな笑顔をこちらに向けた。
「じゃあ、みんなでお茶飲もう。ヘリア婆ちゃんが待ってるよ」
両手を叩いてはしゃぐイエリアの頭に、イギーが優しく手を置いた。
「オレは少しやることがあるから、それが終わったら行くよ。イエリアは先にあの人と飲んでな」
イギーはこちらを見もしないで去って行った。そんな彼の後ろ姿に、恵は話をうやむやのまま終わらせてしまったことに気づく。だが、イエリアの前で話すことはできない。恵はそのまま何も言わず小梅の温もりを感じていた。




